電子定款・手続き

電子定款に「Adobe Acrobat Pro」は必須?無料版Readerで乗り切る裏技と“7日間”の勝負

PCに入っている「無料のAdobe Reader」で署名しようとしていませんか? そのボタンを押しても、法的な効力は生まれません。

月額1,980円を払う必要はありません。準備を完璧に整え、7日間の「無料体験」期間内に全てを終わらせる。これが勝者の戦略です。

行政書士 小野馨
こんにちは!

行政書士の小野馨です。電子定款のDIYに挑むチャレンジャーの心を最後に折るのが、この事実です。

「えっ、PDFソフトって有料なの? 月額2,000円もするの?」

会社設立なんて一生に一度あるかないか。たった一回、定款にハンコを押すためだけに、Adobeのサブスクリプション契約を結ぶのは、どう考えてもコスパが悪すぎます。

「無料のReaderじゃダメなんですか?」

そう聞かれますが、残念ながら「ダメ」です。
無料版の機能では、公証役場が求める「電子署名(デジタル署名)」は実装できません。

しかし、諦めるのは早いです。Adobeには「7日間の無料体験版」**が存在します。この期間をフル活用し、1円も払わずに定款認証をクリアする「完全攻略チャート」をここに公開します。ただし、これは時間との勝負です。準備不足で挑めば、課金地獄が待っています。

▼ この記事のポイント ▼

  • 無料のReaderでは「法的な電子署名」は不可能
  • ✅ Pro版(有料)の「7日間無料体験」を使えば0円で可能
  • ✅ ただし、インストールする「バージョン(32bit/64bit)」に注意
  • ✅ 認証が終わったら、即座に解約するのを忘れるな

※なお、電子定款について知りたい方は、

『1番わかる電子定款の教科書』

で解説しています。参考にしてください。

【結論】無料の「Acrobat Reader」では電子定款は作れない

まずは、多くの人が陥る誤解を解いておきます。「PDFを見るソフト」と「PDFを作るソフト」は別物です。

[画像指示: 無料版Readerのアイコンと有料版Proのアイコン、機能比較の×と◯ (推奨ファイル名: adobe-reader-vs-pro.jpg, alt: Adobe Reader Pro 違い)]

💡 3秒でわかるまとめ

  • 無料版にも「スタンプ」はあるが、それは電子署名ではない。
  • マイナンバーカードを連携できるのは「Pro(有料版)」だけ。

【違い】「見るだけ(Reader)」と「署名する(Pro)」の決定的な差

どのパソコンにも大抵入っている無料の「Adobe Acrobat Reader」。これにも「署名」や「スタンプ」という機能が付いていますが、これはあくまで「見た目だけのハンコ画像を貼り付ける機能」に過ぎません。

電子定款に必要なのは、**「マイナンバーカード内の電子証明書を使って、ファイルに暗号化処理を施すこと」**です。この高度なセキュリティ処理を行う機能は、有料版である「Adobe Acrobat Pro(またはStandard)」にしか搭載されていません。

Readerでいくら頑張ってプラグインを入れようとしても、設定メニュー自体が存在しないため、永遠に署名はできません。ここは「課金対象エリア」だと割り切ってください。

【警告】「スタンプ」機能と「電子署名」を混同するな

よくある失敗が、Readerの機能で「印鑑の画像」を貼り付けて、「署名しました!」と公証役場に送ってしまうケースです。

公証人がシステムで確認すると「電子署名が付与されていません」と表示され、即却下となります。見た目がハンコっぽくても、デジタルデータとしての証明力がなければ意味がありません。定款認証においては、**「Pro版を使って、プラグイン経由で署名する」**以外に道はないのです。

課金回避!「7日間の無料体験」で乗り切る完全攻略チャート

有料版が必要なのは分かりました。しかし、月額1,980円(年間プランならもっと高額)を払いたくはありません。そこで使うのが公式の「無料体験版(Free Trial)」です。

[画像指示: スタート地点からゴールまで7マスのすごろく。各マスにタスクが書かれている (推奨ファイル名: adobe-free-trial-strategy.jpg, alt: Adobe無料体験 攻略チャート)]

💡 3秒でわかるまとめ

  • いきなりインストールしてはダメ。準備完了まで待て。
  • ICカードリーダーと定款の完成が「スタート条件」だ。

【準備】すべての書類と機材を揃えてから「開始ボタン」を押せ

この作戦の肝は、**「体験版をインストールするタイミング」**です。

多くの人が、作業の初日にインストールしてしまいます。しかし、定款の作成や公証人との事前確認には数日かかります。その間に無料期間(7日間)が過ぎてしまい、いざ署名しようとした時には課金が始まっている…というパターンが非常に多いのです。

正しいインストール・タイミング:

1. ICカードリーダーを購入し、ドライバ設定を済ませる。

2. 定款(案)を作成し、公証人の事前確認も完了させる(※Word形式でOK)。

3. 「あとは署名して送るだけ」という状態になって初めて、体験版をDLする。

これなら、実質1〜2日で作業が終わるため、余裕を持って解約できます。

【手順】インストール → 署名プラグイン設定 → 署名 → 即解約

具体的な手順は以下の通りです。

Day 1:Adobe公式サイトから「Acrobat Pro 無料体験版」をダウンロード&インストール。

Day 1:法務省のサイトから「PDF署名プラグイン」をダウンロードし、Acrobatに設定。

Day 1:定款PDFにマイナンバーカードで署名。

Day 2:公証役場で認証完了。

Day 3:Adobeアカウント管理画面から「プランを解約」する。

これで費用は0円です。重要なのは、認証が終わるまで(Day 2)は解約しないこと。万が一、署名ミスで修正が必要になった場合、ソフトが使えないと困るからです。

失敗しないインストールの罠。「32bit版」と「64bit版」の攻防

最後に、技術的な落とし穴について解説します。ここが最も「ハマる」ポイントです。

[画像指示: パソコン画面のエラーメッセージ「プラグインを読み込めません」 (推奨ファイル名: adobe-plugin-error-32bit-64bit.jpg, alt: Adobe 署名プラグイン エラー)]

💡 3秒でわかるまとめ

  • Adobeは最新の「64bit版」を推してくるが…。
  • 法務省のプラグインは「32bit版」の方が安定する場合がある。

【トラブル】法務省プラグインが動かない最大の原因

法務省が提供している「PDF署名プラグイン」は、設計が古く、最新のAdobe Acrobat Pro(特に64bit版)と相性が悪いことがあります。

「署名メニューが出てこない」「SignedPDFという項目が表示されない」

こうしたトラブルの9割は、「Acrobatのバージョン(32bit/64bit)」「プラグインのバージョン」の不一致が原因です。

現在、法務省も64bit対応プラグインを出していますが、インストールの手順が複雑です。もし上手くいかない場合は、あえて「32bit版のAcrobat」を探してインストールする方が解決が早いこともあります(※Adobe公式サイトの奥深くにインストーラーがあります)。

この「バージョンのイタチごっこ」に付き合うのが電子定款DIYの最大のストレスです。もしパソコン操作に自信がないなら、無理に戦わず、プロに任せるという選択肢を常に持っておいてください。

もし「7日間」を過ぎてしまったら?最安プランの選び方

「仕事が忙しくて、署名設定にてこずっている間に7日が過ぎてしまった…」

そんな事態に備えて、Adobeの料金プランの仕組みを知っておきましょう。ここにも大きな「罠」が潜んでいます。

[画像指示: Adobeの料金プラン選択画面。「年間プラン(月々払い)」と「月々プラン」の違いを強調する図 (推奨ファイル名: adobe-pricing-plans-warning.jpg, alt: Adobe Acrobat 料金プラン 罠)]

💡 3秒でわかるまとめ

  • 「年間プラン(月々払い)」は、途中解約すると高額な違約金がかかる。
  • 1ヶ月だけ使うなら、割高でも「月々プラン」を選ぶのが正解。

【価格】月々プランと年間プラン、違約金の罠

体験版の期限が切れると、自動的に有料プランへの課金が始まります。この時、多くの人が知らずに契約しているのが**「年間プラン(月々払い)」です。

月額1,980円程度でお得に見えますが、これは「1年間使う約束」での割引価格です。もし1ヶ月で解約しようとすると、残りの期間に応じた「解約金(違約金)」を請求されることがあります。

もし体験版の期間内に終わる自信がない、あるいは期限が切れてしまった場合は、多少割高(月額3,000円前後)になっても、いつでも無料で解約できる「月々プラン(年間縛りなし)」**を選択してください。数百円の差をケチって、数千円の違約金を払うのはナンセンスです。

【代替案】Acrobat以外のPDFソフト(Foxitなど)は使えるか?

「Adobe以外にも、Foxit PDFとかSkyPDFとかあるじゃないか」

そう考える方もいますが、電子定款(特に法務省のプラグインを使う場合)においては非推奨です。

法務省の「PDF署名プラグイン」は、基本的にAdobe Acrobat上で動作することを前提に設計されています。他社製ソフトでも「電子署名」自体は可能ですが、公証役場のシステムで「有効な署名」として認識されるか(署名検証エラーが出ないか)は、また別の問題です。

互換性の検証で悩みたくないなら、大人しく「純正(Adobe)」を使うのが、結局は一番の近道です。

【解約忘れ防止】タスク完了後の「退会」手順までガイド

無事に定款認証が終わりました。おめでとうございます!

しかし、安心するのはまだ早いです。最後のミッション、**「サブスク解約」**を忘れてはいけません。

[画像指示: スマホのカレンダーに「Adobe解約」のリマインダー通知が出ているイメージ (推奨ファイル名: cancel-subscription-reminder.jpg, alt: Adobe 解約忘れ防止)]

💡 3秒でわかるまとめ

  • 認証が終わって「謄本」を受け取ったら、即解約OK。
  • Adobeのアカウント管理画面から数クリックで完了する。

【ToDo】認証が終わったら即座にサブスクを解除せよ

解約のタイミングは、**「公証役場から認証済み定款(または謄本)を受け取った直後」**です。認証さえ終われば、もうPDFソフトに用はありません。

解約手順:

1. Adobe公式サイトにログインする。

2. 右上のアイコンから「アカウント管理」を開く。

3. 利用中のプランが表示されるので、「プランを管理」をクリック。

4. 「プランを解約」を選択し、画面の指示に従って完了させる。

解約後も、無料のReaderとしての機能(閲覧など)はそのまま使えます。また、解約手続き完了のメールが届いていることを必ず確認してください。

👨‍⚖️

行政書士 小野馨の「ここだけの話」

「無料体験で乗り切る」というのは賢い戦略ですが、一つだけリスクがあります。

それは「定款認証で補正(やり直し)になった時」です。

もし認証当日にミスが見つかり、「持ち帰って修正してください」と言われた時、すでに無料期間が終わっていたら…? 結局課金するか、焦って再契約することになります。

この「ヒヤヒヤする綱渡り」が精神的にキツイと感じるなら、最初から環境が整っているプロに頼むのも、立派な「メンタル管理術」ですよ。

「7日間」という制限時間を味方につける

電子定款のDIYは、いわば「タイムアタック」です。

準備を万全にし、一気に駆け抜ければ、コストを最小限に抑えられます。しかし、準備不足でダラダラやれば、時間もお金も失います。この記事のチャートを参考に、スマートな完走を目指してください。

🚀 今日から始める「3つの行動」

  • ICカードリーダーの設定と定款(案)の作成を「先に」終わらせる
  • Adobe体験版をインストールし、カレンダーに「解約日」を登録する
  • 期限に追われるのが嫌なら、ソフト不要の代行サービスを検討する

ソフトのインストールや解約手続き、面倒ではありませんか?

プロに頼めば、あなたはPDFをメールで送るだけです。

【ソフト不要】電子定款の作成代行について相談する >

※お電話でもお気軽にどうぞ。

※この記事を見たとお伝え頂ければスムーズです。

⚠️ 免責事項と画像について

本記事内で使用している画像は、すべて生成AIによって作成されたイメージです。

記事の内容は執筆時点の法令・情報に基づいています。法改正や自治体の条例により最新の要件と異なる場合がありますので、実務の実行にあたっては、必ずご自身で管轄の行政庁または専門家へ確認を行ってください。

オファー

-電子定款・手続き