公証役場準備・認証

定款認証手数料の計算方法!資本金別「1.5万・3万・4万・5万円」の境界線と節約のウラ技

定款認証手数料の計算方法!資本金別「3万・4万・5万円」の境界線と節約のウラ技

【結論】定款認証手数料の計算方法とは?

定款認証手数料とは、株式会社の設立時に公証役場へ支払う法定費用のことです。

令和6年の法改正により、資本金の額に応じて「1.5万・3万円・4万円・5万円」の4段階に区分されました。

資本金を100万円未満に抑え、かつ、一定の条件を満たすことで手数料は最安になりますが、対スタートアップにも優しい法改正が行われています。

行政書士 小野馨
こんにちは!

電子定款実績5000件 行政書士の小野馨です。

今回は【資本金と定款認証手数料】の関係についてお話します。

「会社を作るなら、キリよく資本金100万円でスタートしよう」

もしあなたがそう考えているなら、少しだけ待ってください。

その「1万円」の上積みで、定款認証手数料が1万円高くなる可能性があります。

ポイント

多くの起業家が「電子定款にすれば4万円(印紙代)安くなる」ことは知っていますが、「資本金の額によって認証手数料そのものが安くなる」という事実は意外と知られていません。

しかし、単に安くすれば良いわけではありません。

「手数料をケチって資本金を下げた結果、銀行口座が開けなかった」

「建設業許可が取れず、すぐに増資することになり逆に損をした」

そんな本末転倒な事例を私は何度も見てきました。

この記事では、行政書士として5,000社の設立に関わった経験から、「手数料を最安値にする計算ロジック」と、「安易な節約が招く将来のリスク」を天秤にかけた、プロの資本金戦略を公開します。

【警告】「資本金100万円」と「99万円」の差は、単なる1万円ではありません。手数料のランクが変わり、さらに消費税免税や許認可にも影響する「運命の分かれ道」です。2026年、知識のないまま金額を決めると確実に損をします。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 資本金別「1.5万・3万・4万・5万円」の手数料判定チャート
  • ✅ あえて「資本金99万円」にするメリットと致命的なデメリット
  • ✅ 電子定款+資本金調整で実現する「設立費用最安値」の総額
  • ✅ 後から増資すると「3万円」損する? 登録免許税の罠

※なお、公証役場の定款認証の全体像を把握したい方は、
『公証役場の定款認証ガイド』
をブックマークして、参考にしてください。

【2026年最新】定款認証手数料の計算ルールと「3つの区分」

定款認証手数料は、以前は「一律5万円」でしたが、法改正により現在は資本金の額に応じた「4段階のスライド制」になっています。

まずは、ご自身の予定している資本金額がどの区分に当てはまるか、以下のチャートで確認してください。

株式会社のみ発生! 資本金別・手数料一覧表(1.5万・3万・4万・5万)

公証人の手数料は、公証人手数料令第35条に基づき、決定されます。

スタートアップの負担軽減と設立促進のため、令和6年11月22日、公証人手数料令の一部を改正する政令が公布。

令和6年12月1日から、以下の条件を満たす場合は、認証手数料は1.5万円となっています。

2024年12月1日からの改正(定款認証手数料)
  • 対象: 資本金100万円未満の株式会社設立時。
  • 変更内容: 3万円 → 1万5,000円(要件を満たした場合のみ)。
  • 適用条件(すべて満たす必要あり):
    1. 発起人の全員が自然人であり、かつ、その数が3人以下であること。
    2. 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載又は記録があること。
    3. 定款に取締役会を置く旨の記載又は記録がないこと。

日本公証人連合会のホームページ「会社の定款認証手数料の改定

なお、これは「株式会社」の場合のみ適用され、合同会社はそもそも定款認証が不要(0円)です。

資本金定款認証手数料の比較表

資本金の額認証手数料旧制度との差額
100万円未満の1号括弧書き15,000円▲ 35,000円
100万円未満30,000円▲ 20,000円
100万円以上
300万円未満
40,000円▲ 10,000円
上記➀②③以外の会社50,000円± 0円

ここで重要なのは、「手数料」以外にも必ず発生する費用があることです。

定款の謄本交付手数料(約2,000円/1通約250円×枚数)と、電子定款を利用しない場合の収入印紙代(4万円)です。

これらを合算した「総額」で資金計画を立てる必要があります。

誤解だらけ!「電子定款なら手数料も安くなる」の嘘とホント

注意ポイント

ここが最も勘違いされやすいポイントです。「電子定款にすれば4万円安くなる」とよく言われますが、これは「収入印紙代(税金)」の話であり、「公証人の手数料」の話ではありません。

電子定款を選ぼうが、紙の定款を選ぼうが、公証人に支払う上記の認証手数料同額です。

1円も安くなりません。

  • ❌ よくある誤解:
  • 「電子定款にすれば、手数料が1.5万円になるんでしょ?」
    → 違います。資本金が100万円未満でかつ、条件を満たすから3万円になるのです。
  • ⭕️ 正しい理解:
  • 「電子定款にすると印紙代4万円が0円になり、さらに資本金設定によって手数料も下げられる」
    → これが最強の「ダブル節約」です。

つまり、紙の定款で資本金300万円以上の会社を作ると、手数料5万円+印紙4万円=9万円かかります。

一方、電子定款で資本金100万円未満で、さらに条件を満たすと、手数料1.5万円+印紙0万円=1.5万円で済みます。

その差額は実に7.5万円

これを知っているかどうかが、起業家の最初のリテラシーテストとなります。

💡 行政書士の現場メモ(合同会社という選択)

「どうしても初期費用を抑えたい」という方には、株式会社ではなく「合同会社(LLC)」も選択肢に入ります。

合同会社は定款認証そのものが不要なため、この手数料(3〜5万円)は全額カット、つまり0円です。

電子定款で作成すれば印紙代も0円。

登録免許税(6万円)のみで設立可能です。

「株式会社」の肩書きにこだわらないなら、最も合理的な選択肢と言えます。

どこで変わる? 手数料が変わる「運命の境界線」を判定

手数料が変わるボーダーラインは、「100万円」と「300万円」の2箇所です。

しかし、ここで法律特有の言葉のアヤに引っかかると、計算が狂います。

「以上・以下」はその数字を含みますが、「未満」はその数字を含みません。

【境界線①】資本金100万円「未満」か「以上」か(3万vs4万)

ここが最大の分岐点です。手数料を最安値の「1.5万円」「3万円」にするための条件は、資本金が「100万円未満」であることです。

  • 資本金 99万9,999円 → 100万円「未満」 → 手数料 3万円
  • 資本金 1,000,000円 → 100万円「以上」 → 手数料 4万円

たった1円の差ですが、資本金をジャスト100万円に設定した瞬間、手数料は1万円アップします。

そのため、コスト削減を最優先する起業家は、あえて「99万円」「50万円」といった金額を設定するのです。

【境界線②】資本金300万円「未満」か「以上」か(4万vs5万)

次の壁は300万円です。

ある程度の規模でスタートする場合や、店舗ビジネスなどで初期投資が必要な場合に検討されるラインです。

  • 資本金 299万円 → 300万円「未満」 → 手数料 4万円
  • 資本金 300万円 → 300万円「以上」 → 手数料 5万円

ここでも同様に、ジャスト300万円にすると最高値の5万円になります。

もし手元資金が300万円あるなら、資本金は290万円程度に抑え、残りの10万円は「資本準備金」や、会社への「貸付金」としてプールしておくのも一つの手です。

要注意!「現物出資」がある場合の合算ルール

「現金は50万円しか出さないし、条件を満たすから、手数料は1.5万円だよね?」

そう思っていても、同時に「個人のパソコン(20万円)と営業車(50万円)を会社名義にする(現物出資)」という計画がある場合は注意が必要です。

手数料の判定基準となる「資本金の額」とは、「現金の出資額」と「現物出資の価額」の合計で判断されます。

【計算例】

  • 現金出資:50万円
  • 現物出資(車):60万円
  • 合計資本金:110万円

この場合、合計が100万円を超えているため、手数料は4万円の区分になります。

「現金だけ」で判断しないよう、定款の「出資の目的となる財産の価額」の条項を必ず確認してください。

💡 行政書士の現場メモ(端数の美学)

「手数料を安くしたいから、資本金を99万9999円にします!」という方が稀にいらっしゃいますが、実務上はお勧めしません。

1円単位の資本金は、登記簿(履歴事項全部証明書)に一生残ります。

取引先がそれを見たとき、「ああ、この会社は手数料の1万円をケチったんだな」と透けて見えてしまい、品格を疑われるリスクがあるからです。

安くするにしても、せめて「90万円」や「99万円」など、キリの良い数字に留めるのが大人の作法です。

資本金 手数料 100万円未満 境界線

【節約のウラ技】手数料を最安値にする「資本金設定」の戦略

定款認証手数料を「3万円」に抑え、かつ電子定款で印紙代「4万円」をカットする。

これが現行法における最強のコストダウン戦略です。

しかし、資本金を下げることには、目に見えない「副作用」も存在します。

あえて「資本金99万円」にするメリット・デメリット

資本金を100万円未満(例:99万円、50万円)に設定する場合、以下の得失を天秤にかける必要があります。

メリット(実利)デメリット(信用)
  • 定款認証手数料が最安(3万円)。
  • 消費税の免税事業者期間(2期)を確保しやすい(※資本金1,000万円未満ならOKなので、99万円である必然性は薄い)。
  • 小さく産んで大きく育てるスタートアップ的な身軽さ。
  • 銀行融資のハードルが上がる。
    (自己資金が少ないと見なされ、融資限度額が低くなる傾向)
  • 法人口座開設の審査で「実態」を厳しく見られる可能性がある。
  • 取引先によっては「資本金100万円以上」を取引条件としている場合がある。

結論として、「銀行融資を受ける予定がなく、PC1台で始めるコンサルやIT業」であれば、資本金99万円(手数料3万円コース)は合理的な選択です。

逆に、「店舗を借りる、仕入れが発生する」ビジネスなら、手数料の1〜2万円をケチらず、資本金300万円以上を用意して信用を作る方が、長期的には得策です。

【最強の節約】手数料3万円 + 電子定款(印紙0円)= 法定費用約20万円

それでは、最も安く株式会社を作る場合の「最終金額」をシミュレーションしてみましょう。

これが底値です。

💰 株式会社設立・最安値シミュレーション

  • 定款認証手数料(資本金100万未満)
    15,000円
  • 定款印紙代(電子定款利用)
    0円(▲40,000円)
  • 定款謄本交付手数料(約2通)
    約2,000円
  • 登録免許税(法務局)
    150,000円
  • 合計(法定費用)
    約167,000円

※紙の定款・資本金300万以上の場合:約242,000円(差額 約7.5万円)

この「約167,000円」に加えて、ご自身の個人の印鑑証明書取得費や、会社の実印作成費(数千円〜)が必要になります。

これ以下で株式会社を作る方法は、法律上存在しません。

💡 行政書士の現場メモ(増資の落とし穴)

「とりあえず99万円で作って、後から増資すればいいや」と考えている方、要注意です。

設立後に資本金を増やす(増資登記をする)には、登録免許税として最低3万円がかかります。

設立時に手数料を2万円(5万→3万)節約しても、後で3万円払えばトータルでは赤字です。

将来的に許認可などで資本金が必要になる予定があるなら、最初からその金額で設立するのが正解です。

会社設立費用 最安値 内訳

定款認証に必要な「手数料以外」の現金と支払い方法

公証役場に行く際、財布の中身が「認証手数料(1.5〜5万円)」ギリギリだと詰みます。

なぜなら、認証手数料とは別に、必ず支払わなければならない「実費」が存在するからです。

当日慌てないために、現金の内訳と支払い方法、そして経理上の処理について確認しておきましょう。

【Topic 4】忘れがちな「定款謄本交付手数料」と枚数節約術

認証された定款は、原本が公証役場に保管されます。

そのため、会社保存用や登記申請用として「謄本(写し)」を取得する必要があり、これに別途手数料がかかります。

  • 謄本手数料の計算式: 1枚につき250円 + 閲覧手数料など
  • 必要な部数: 通常2通(1通は登記用、1通は銀行口座開設・会社保存用)

例えば、定款が全10ページの場合、1通あたり2,500円。2通で約5,000円が現金で必要になります。

ここで効いてくるのが「定款のスリム化」です。

ネット上の雛形には、本来定款に書く必要のない「細則」までダラダラと書かれているものがあります。

ポイント

これらを削除し、必要最低限のページ数(5〜6ページ)に圧縮すれば、謄本代を1,000円〜2,000円節約できます。

【Topic 10】公証役場は「現金払い」が原則? クレジット対応の現状

「今どき役所でもキャッシュレスでしょ?」

と思うかもしれませんが、多くの公証役場は依然として「現金払いのみ」が原則です。

クレジットカードやPayPayが使える役場はごく一部に限られています。

ポイント

ただし、例外として「テレビ電話認証(Web公証)」を利用する場合は、事前にクレジットカードでオンライン決済が可能です。

しかし、テレビ電話認証は事前の通信テストや機器設定が煩雑で、初心者にはハードルが高いため、現時点では「現金を多めに持参して窓口へ行く」のが最も確実なルートです。

【Topic 3,8,9】領収書の宛名と「誰が払うか」問題(経理処理)

最後に、支払ったお金の経理処理についてです。

Q. 領収書の宛名は誰にすればいい?
A. 「設立準備中の会社名(例:株式会社〇〇 設立準備室)」または「発起人個人の氏名」でもらってください。どちらでも会社の経費として認められます。
Q. 勘定科目は?
A. 「創立費」として処理します。創立費は「繰延資産」として、好きなタイミングで償却(経費化)できる非常に使い勝手の良い科目です。
Q. 誰の財布から払う?
A. 会社のお金はまだ存在しないため、「発起人(創業者)」が個人のお金で立て替え払いをします。設立完了後、会社の口座から個人へ精算(返金)すればOKです。

💡 行政書士の現場メモ(いきなり行っても門前払い?)

「お金も持ったし、いざ公証役場へ!」とアポなしで突撃するのはNGです。

公証役場では、当日の認証前に必ず「事前の原案チェック(FAXやメール)」が必要です。これを行わずに訪問しても、「まずは案文を送ってください」と門前払いを食らいます。

必ず事前に電話予約をし、定款案の確認を受けてから、現金を握りしめて訪問してください。

⚠️ 【警告】その「3万円」の節約、本当に正解ですか?

資本金を99万円にして手数料を3万円に抑える。確かに目先の2万円は浮きます。しかし、そのせいで「融資が下りない」「取引等の信用が得られない」といった機会損失が生まれれば、2万円どころではない損害になります。
会社設立は「安く作ること」がゴールではありません。「稼げる器を作ること」がゴールです。目先の小銭に惑わされず、事業規模に見合った資本金設定を行ってください。

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