

こんにちは!
開業20年で電子定款の実績5000件、行政書士の小野馨です。
今回は【法人口座審査に落ちる理由と対策!定款の事業目的が合否の分かれ道】というテーマでお話しします。
「会社を作ったのに、銀行口座が作れません……」
最近、このような悲痛な相談が、私の事務所に殺到しています。
せっかく夢を抱いて会社を設立したのに、法人口座がなければ取引もできませんし、社会的な信用もゼロ。
まさに「スタートラインに立った瞬間に足止め」を食らっている状態です。
「なぜ落ちたんですか?」と銀行に聞いても、「総合的な判断です」としか教えてくれません。
これ、本当に悔しいですよね?
しかし、断言します。
審査に落ちるのには、必ず明確な「理由」があります。
そして、その理由の多くは、実はあなたが作った「定款の事業目的」や「事業の実態」に隠されているのです。
今回は、銀行が決して口外しない「審査の裏事情」と、一発で合格するための「具体的な対策」を行政書士の視点で徹底解説します。
これを読めば、あなたの会社も信頼される「法人口座」を必ず手に入れることができます!
▼ この記事のポイント ▼
- ✅ 口座審査が厳しいのは「マネーロンダリング対策」が強化されたから
- ✅ 「固定電話」と「ホームページ」がないと、実態がないと判断されやすい
- ✅ バーチャルオフィスでの登記は、犯罪利用された住所と被ると危険
- ✅ 定款の「事業目的」が多すぎたり曖昧だと、不審がられて即アウト
※なお、電子定款や会社設立の全体像やロードマップを知りたい方は、
『1番わかる電子定款の教科書(トップページ)』
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法人口座の審査になぜ落ちる?銀行が明かさない理由と裏事情
法人口座の審査とは、銀行があなたの会社に対して行う「実態確認」と「リスク評価」のことです。
「売上が上がりそうか?」を見ているのではありません。
- 「この会社は本当にここに存在しているのか?」
- 「犯罪に使われるリスクはないか?」
この2点を徹底的に見ているのです。
かつては、登記簿謄本と印鑑さえあれば、誰でも簡単に法人口座が作れました。
しかし、今は時代が変わりました。
「審査に落ちて当たり前」くらいの覚悟で準備しないと、メガバンクどころかネット銀行すら通らないのが現実です。
では、なぜここまで厳しくなってしまったのでしょうか?
その背景にある「銀行側の事情」を知ることが、攻略の第一歩です。
[画像指示:銀行の重厚な扉の前に立つ警備員と、書類を持つ起業家(alt="法人口座審査の厳格化とセキュリティ")]銀行が恐れているのはこれだ!審査が厳しい本当の理由
銀行が審査を厳しくする最大の理由。
それは、法律による「マネーロンダリング(資金洗浄)対策」の義務化です。
具体的には「犯罪収益移転防止法」という法律があります。
警察庁JAFIC:犯罪収益移転防止法概要
近年、振り込め詐欺や特殊詐欺グループが、実体のない「ペーパーカンパニー」を作り、その法人口座を犯罪の受け皿にする事件が多発しました。
もし、銀行が審査を甘くして口座を作らせ、その口座が詐欺に使われたらどうなるか?
銀行は金融庁から厳しく処分されますし、社会的な信用も失墜します。
だから銀行は、「怪しい会社は絶対に断る」というスタンスを取らざるを得ないのです。
審査担当者は、あなたのことを疑っているわけではありません。
「もし何かあったときに、自分が責任を取らされるのが怖い」のです。
だからこそ、私たちは「怪しくないですよ」「ちゃんとビジネスをしていますよ」という証拠(エビデンス)を、これでもかというほど提示して、担当者を安心させてあげる必要があるのです。
固定電話とHPは必須!「実態証明」のための鉄板対策
では、どうやって「怪しくない」と証明すればいいのでしょうか?
銀行員が審査で見ているポイントは、実はアナログです。
最も重要な対策は、「固定電話」と「ホームページ」を用意することです。
「え? 今どき固定電話なんていらないでしょ? スマホで十分では?」
そう思いましたよね?
ビジネス的には正解ですが、口座審査的には不正解です。
銀行にとって、090や080の携帯番号だけの会社は、「いつでも連絡を絶って逃げられる会社」に見えます。
一方で、03や06などの市外局番から始まる固定電話がある会社は、「その場所に根を張ってビジネスをしている」という証明になります。
最近は「03plus」のようなスマホアプリで使える固定電話サービスも安くあるので、導入しない手はありません。
そして、もう一つが「ホームページ」です。
銀行の担当者は、申込を受けると必ず会社名でGoogle検索をします。
そこでホームページが出てこないと、「どんな事業をしているのか不明」として、その時点で審査の土俵から落とされることがあります。
立派なサイトである必要はありません。
ポイント
「会社概要」「事業内容」「代表者プロフィール」「問い合わせ先」が載っている1枚もののページ(LP)でも構いません。
それが、銀行に対する「会社案内パンフレット」の役割を果たすのです。
バーチャルオフィスは不利?住所から見える実態
最近流行りの「バーチャルオフィス」や「シェアオフィス」。
初期費用が安く済むので人気ですが、口座審査の**実態**確認という点では、正直言って不利になります。
なぜなら、過去に犯罪グループが「同じ住所」で登記していた履歴があるかもしれないからです。
銀行は「要注意住所リスト」を持っています。
もしあなたが契約したバーチャルオフィスの住所が、たまたまそのリストに入っていたら……。
残念ながら、あなたの会社がどれだけ健全でも、住所だけでNGになることがあります。
「じゃあ、バーチャルオフィスでは口座は作れないの?」
いいえ、そんなことはありません。
私も多くのクライアントを支援してきましたが、以下の工夫で審査に通っています。
1. **活動実態を示す資料を添付する**
請求書、発注書、契約書、顧客とのメールのやり取りなど、「実際にビジネスが動いていること」を示す資料を追加で提出します。
2. **自宅住所も併記する**
登記はバーチャルオフィスでも、実際の作業場所(自宅など)を正直に申告します。
3. **ネット銀行を狙う**
GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行などは、バーチャルオフィスに対して比較的理解があります。
重要なのは、「実態が見えにくい」という弱点を自覚し、それを補うための材料を自ら進んで提供する姿勢です。
「審査してください」と受け身で待つのではなく、「私が信頼できる証拠はこれです!」とプレゼンするつもりで臨みましょう。
(もし審査に通るか不安なら、事前に「0円企業診断」でチェックできます。詳細はこちら)
定款の事業目的が合否を分ける?法人口座開設のための書き方
定款の事業目的とは、いわば会社の「取扱説明書」のようなものです。
「ウチの会社は、こんなビジネスをして利益を上げますよ」ということを宣言する項目ですが、実はここが**法人口座**審査の最大の落とし穴になっています。
多くの起業家はこう考えます。
「将来やるかもしれないから、とりあえず思いつくものを全部書いておこう!」
「ネットの雛形をそのままコピペしておけばいいや!」
断言します。
その「とりあえず」が、審査落ちの引き金を引いています。
銀行員は、定款の事業目的を見て「この会社にお金を流しても大丈夫か?」を判断します。
もしそこに、矛盾や怪しさがあれば、即座にNGを出します。
では、具体的に「どんな書き方」が嫌われ、どう修正すれば好かれるのか?
行政書士として数々の「修正案件」を見てきた経験から、合格するための書き方を伝授します。
「何でも屋」はNG!事業目的の具体性と明確性のルール
よくある失敗例が、事業目的を羅列しすぎる「デパート状態」です。
以前、相談に来たB社長の定款を見て驚愕しました。
「ITシステム開発」
「古着の販売」
「農業生産」
「タピオカドリンクの販売」
「暗号資産の交換業」
……などなど、全く脈絡のないビジネスが50個近く並んでいたのです。
B社長は「将来やるかもしれないから」と言っていましたが、これを見た銀行員はどう思うでしょうか?
「一体、何が本業なんだ?」
「事業の実態が見えない。詐欺グループの隠れ蓑ではないか?」
と、警戒レベルMAXになります。
**事業目的**は、多ければいいというものではありません。
創業時は、本当にメインで行う事業を中心に**「10個〜15個以内」**に絞るのがベストです。
また、「具体性」も重要です。
単に「販売業」と書くのではなく、「婦人服及び服飾雑貨の販売」と書く。
単に「コンサルティング業」と書くのではなく、「飲食店に対する経営コンサルティング」と書く。
「誰に」「何を」提供するのかが、文字を見ただけでイメージできるように書くのがコツです。
銀行員はあなたのビジネスの素人です。
素人が読んでも「ああ、こういう商売ね」と分かるレベルまで、言葉を噛み砕いて記載してください。
| 判定 | 事業目的の記載例 | 銀行員の印象 |
|---|---|---|
| × NG | 物品の販売 コンサルティング業 前各号に付帯する一切の事業 | 抽象的すぎる。 何をする会社か不明で怪しい。 |
| ◎ OK | 輸入雑貨及びアクセサリーの販売 Webサイトの企画・制作 経営コンサルティング業務 | 具体的。 事業内容がイメージできて安心。 |
許認可とセットで考える!一貫性がないと門前払い
次に注意すべきは、**許認可**が必要なビジネスを行う場合です。
例えば、「中古車の転売」をメイン事業にするなら、「古物商許可」が必要です。
「人材派遣」をするなら、「労働者派遣事業の許可」が必要です。
厚生労働省:労働者派遣事業・職業紹介事業等
銀行は、ここで「定款」と「許認可」の整合性を厳しくチェックします。
**ケース1:定款に入っていない場合**
面談で「中古車を売ります」と言ったのに、定款の事業目的に「中古自動車の販売」が入っていなかったら?
「定款に書いていないことを事業としてやるんですか? コンプライアンス意識が低いですね」と判断され、審査に落ちます。
**ケース2:定款に入っているが、許可がない場合**
定款に「労働者派遣事業」と書いてあるのに、まだ許可を取っていない場合。
銀行によっては、「許可証が発行されてから出直してください」と言われることがあります。
許可がないとビジネスができない(=売上が立たない)ため、口座を作る必要性がないと判断されるからです。
「将来やるつもり」レベルの許認可事業は、あえて創業時の定款には書かない、というのも一つの戦略です。
(※もちろん、すぐに許可申請するなら記載必須です)
定款と許認可はセットです。
チグハグな状態で審査に挑むのは、裸で戦場に行くようなものですよ。
落ちた後の最終手段!定款の目的「変更」で再審査
「もう既に審査に落ちてしまいました……定款も適当に作ってしまいました……」
そんな方も、まだ諦めないでください。
一度落ちたからといって、永久に口座が作れないわけではありません。
原因が「事業目的」にあるなら、それを修正すればいいのです。
具体的には、法務局で**変更**登記の手続きを行います。
不審がられた「暗号資産」や「投資業」などの文言を削除し、メイン事業の内容をより具体的に書き直すのです。
そして、登記簿謄本が新しくなってから、別の銀行(または同じ銀行)に再チャレンジします。
ただし、痛い出費が伴います。
目的変更の登記には、登録免許税として**「3万円」**がかかります。
司法書士に依頼すれば、さらに数万円の報酬が必要です。
法務省:登録免許税の税額表
「最初からちゃんと作っておけばよかった!」と後悔する瞬間です。
でも、法人口座がなくてビジネスが止まる損失に比べれば、安いものです。
私のクライアントでも、定款の目的を整理してスリム化しただけで、嘘のように審査に通った事例がいくつもあります。
失敗は修正できます。
諦めずに、まずは「銀行に嫌われない定款」に書き換えるところから始めましょう。
あなたが得られる未来
法人口座の審査は、確かに年々厳しくなっています。
しかし、それは裏を返せば、**「審査に通った会社は、銀行お墨付きの信頼できる会社」**という強力なブランドを手に入れることと同じです。
事業目的を磨き上げ、実態を整え、堂々と審査をクリアしたあなたの手元には、ピカピカの通帳が届きます。
その通帳は、単にお金を出し入れする道具ではありません。
取引先からの入金を受け止め、従業員への給与を払い、未来への投資を行う、まさに会社の「心臓」です。
「ウチは銀行の審査もしっかり通っている会社ですから」
そう胸を張って言える経営者になりましょう。
面倒な準備の先には、誰からも信頼される盤石なビジネス基盤が待っています。
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よくある質問(FAQ)
- Q. どこの銀行が一番審査に通りやすいですか?
- A. 一概には言えませんが、一般的に「メガバンク」>「地方銀行・信用金庫」>「ネット銀行」の順で審査の難易度が下がると言われています。創業直後は、まず「GMOあおぞらネット銀行」や「住信SBIネット銀行」などのネット銀行に申し込み、実績を作ってからメガバンクや地銀に挑戦するのが王道ルートです。
- Q. 資本金の額は審査に影響しますか?
- A. はい、影響します。資本金1円などの極端に少ない金額だと、「事業を行う体力がない」「ペーパーカンパニーではないか」と疑われやすくなります。最低でも100万円、できれば300万円程度あると、銀行側も安心して審査を進めやすくなります。
- Q. 事業目的の変更は自分でもできますか?
- A. 手続き自体は可能ですが、株主総会議事録の作成や法務局への申請書類作成など、専門的な知識が必要です。もし記載ミスがあれば補正(やり直し)になり、二度手間になります。確実に修正して口座審査を通したいなら、司法書士等の専門家に依頼することをお勧めします。
## ■ 添付:H2見出し用 画像生成プロンプト (Powered by Banana)
**[For H2-1: 法人口座の審査になぜ落ちる?銀行が明かさない理由と裏事情]**
> **Prompt:** A tense scene at a bank counter, close up of a 'REJECTED' stamp on a document, blurred background of a stern bank manager, moody lighting, blue and grey tones, realistic, 8k, cinematic drama --ar 16:9 --v 6.0
> **Concept:** (銀行のカウンターで書類に「不承認」のスタンプ(またはイメージ)が押されている緊張感のあるシーン。審査の厳しさと「落ちる」リアリティを表現。)
**[For H2-2: 定款の事業目的が合否を分ける?法人口座開設のための書き方]**
> **Prompt:** A professional document 'Articles of Incorporation' (Japanese Kanji Teikan) on a clean wooden desk, with a magnifying glass highlighting the 'Business Purpose' section, bright natural light, green plant in corner, trustworthy, high resolution --ar 16:9 --v 6.0
> **Concept:** (清潔なデスクの上に置かれた「定款」。虫眼鏡が「事業目的」の箇所をクローズアップしており、ここが重要であることを示す。明るく信頼感のある雰囲気。)
会社設立や電子定款認証のスペシャリスト!開業17年・年間実績500件以上。実は、電子定款の制度ができた10年以上前から電子定款認証の業務を行なっているパイオニアです!他との違いは、まず定款の完成度!内容はモデル定款のモデルと言われ全国数百箇所の公証人の目が入っている優れもの!そして電子署名はまるでサインのようなかっこいい電子署名です!その電子定款であなたの大切な会社設立を真心込めて応援します!
