電子定款・手続き

【登記申請】定款認証の次はこれ!資本金払込から法務局提出までの完全ロードマップ

【結論】定款認証の次はどうする?

定款認証が終わったら、次は「資本金の払込み(銀行手続き)」「登記申請書類の作成(法務局手続き)」を行います。

この期間に特定の期限はありませんが、払込証明書の作成方法や印紙の取り扱いでミスをすると、法務局で受理されず「やり直し」になるため、正しい順序での遂行が不可欠です。

行政書士 小野馨
こんにちは!

電子定款実績5000件 行政書士の小野馨です。

今回は【定款認証から登記申請までの完全ロードマップ】について、実務の裏技を交えて解説します。

「公証役場で定款を受け取ったけど、次は何から手をつければいいの?」
「資本金はいつ振り込めばいい? ネット銀行でも大丈夫?」

定款認証までの道のりはガイドブックも多いですが、そこから法務局へ申請するまでの「空白の期間」は、意外と詳細な情報が少なく、自己流で進めて躓く方が後を絶ちません。

 

特に、「資本金の払込日」や「書類の綴じ方」には、法務局特有の厳格なルールが存在します。

注意ポイント

ここで1つでもミスをすると、書類の不備(補正)として法務局に呼び出され、訂正印を押すためだけに出向くという、何とも虚しい時間を過ごすことになります。

この記事では、行政書士が実務で行っている「一発で受理されるための段取り」を、時系列に沿ってステップバイステップで解説します。

【注意】登録免許税の15万円(収入印紙)は、書類に不備があって申請を取り下げる場合でも、手続きを誤ると還付(返金)されず没収されるリスクがあります。現金を扱うフェーズだからこそ、慎重な確認が必要です。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 資本金払込は「定款作成日」の後ならいつでもOK(日付の罠)
  • ✅ ネット銀行の「通帳コピー」代わりになる画面の印刷方法
  • ✅ 窓口での訂正を可能にする「捨印」の魔法
  • ✅ 大切な原本を返してもらう「原本還付」の作法

全体像:定款認証から会社成立(登記)までのタイムライン

まずは、ゴールまでの全体像を把握しましょう。

定款認証が終わった後の標準的な流れは以下の通りです。

  1. Step 1 資本金の払込み: 発起人(あなた)の個人の銀行口座にお金を移動させる。
  2. Step 2 登記書類の作成: 申請書や決定書を作成し、会社実印を押印する。
  3. Step 3 法務局へ申請: 管轄の法務局へ書類を提出する。(※この日が会社設立日になります)
  4. Step 4 登記完了: 申請から約1週間〜10日後、登記簿謄本が取得できるようになる。

📷 画像挿入指示

推奨画像: 定款認証から登記完了までのカレンダー風タイムライン図解

生成用プロンプト: Timeline infographic showing steps: 1. Notarization, 2. Capital Payment, 3. Application (Birthday), 4. Completion. Calendar style icons. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.

Alt属性: 会社設立までのスケジュール

【重要】払込日は「定款認証日」より前でも大丈夫?

ここで、多くのDIY起業家が頭を悩ませるのが「資本金はいつ振り込めばいいのか?」という問題です。

インターネット上の古い記事(2017年以前の情報)には、「公証役場で定款の認証を受ける前に振り込まれたお金は、資本金として認められない(無効)」と書かれていることがあります。

しかし、現在はルールが変わっています。

平成29年(2017年)の商業登記規則等の改正運用により、発起設立(出資者が発起人のみの場合)においては、「定款作成日」以降であれば、定款認証日より前に振り込まれていても有効となりました。

つまり、正しい順序は以下の通りです。

  • ⭕️ OK: 定款作成日(署名日) → 資本金払込 → 定款認証日 → 登記申請
  • ⭕️ OK: 定款作成日(署名日) → 定款認証日 → 資本金払込 → 登記申請
  • ❌ NG: 資本金払込 → 定款作成日(署名日) → 定款認証日 → 登記申請

要するに、定款の末尾に記載した「作成日(定款を作った日)」より後の日付で通帳に記録が残っていれば、認証の前でも後でも問題ありません。

「認証が終わるまで銀行に行けない!」と焦る必要はないのです。

会社の「誕生日」はいつになる?(土日祝の罠)

会社の設立日(誕生日)は、「法務局に登記申請書類を提出した日」になります。

登記が完了した日や、定款認証を受けた日ではありません。

ここで注意が必要なのは、「法務局が開いていない日は設立日になれない」という点です。

  • 土曜日、日曜日、祝日
  • 年末年始(12月29日〜1月3日)

これらは法務局の閉庁日であるため、窓口での受付はもちろん、郵送申請であっても受付印が押されず、設立日として指定することは不可能です。

「どうしても大安の土曜日にしたい!」という場合は、残念ながら諦めて前後の金曜日か月曜日にするか、リスクを承知で「オンライン申請(システム稼働時間内に送信)」を行えば理論上は可能という説もあります。

ですが、システムトラブルのリスク等を考慮すると、専門家としては平日を選ぶことを強く推奨します。

💡 行政書士の現場メモ(1月1日設立の夢)

「元旦(1月1日)を会社設立日にしたい」というご相談を毎年いただきますが、1月1日は法務局が休みのため、物理的に不可能です。

どうしても「1」にこだわりたい場合は、「1月11日」や「11月1日」を狙うか、あるいは設立日には目をつぶり、創業記念イベントを元旦に行うなどで妥協するしかありません。

無理に郵送で年末に送りつけても、開庁日である1月4日(または平日初日)の受付扱いとなります。

Step 1:資本金の払込み(振込)を実行せよ

定款作成日を過ぎたら、発起人(設立時の出資者)の個人口座に、資本金として定めた金額を入金します。

まだ法人口座は作れないため、必ず「発起人の個人口座」を使用してください。

自分の口座に「自分」で振り込む?入金方法の正解

最も多い質問が、「ATMで現金をそのまま入金(預け入れ)してもいいですか?」というものです。

結論から言えば、発起人が1人だけの場合は「預け入れ」でも登記は通ります。通帳に「アズケイレ」や「現金」と記載されていても、その口座の名義人が発起人本人であれば、本人が入金したと推定できるからです。

しかし、発起人が2人以上いる場合は要注意です。

単なる入金では「誰が出したお金か」が証明できません。

必ず、他の発起人から代表発起人の口座へ、「氏名が表示される形」で振込を行ってください。

⚠️ 1円でも足りないと即アウト

資本金100万円で設立する場合、残高が100万円あっても意味がありません。「定款作成日以降に、新たに100万円が入金された記録」が必要です。

もし既に入っているお金を使いたいなら、一度引き出して、再度入金してください。「通帳の記帳」を行い、日付と金額を確定させることが払込作業の本質です。

ネット銀行対応!「通帳表紙」代わりの画面コピー完全ガイド

最近は楽天銀行や住信SBIネット銀行など、紙の通帳がない「ネット銀行」を使う方が大半です。

法務局もネット銀行には対応していますが、提出する証拠書類(プリントアウト)には厳格なルールがあります。

以下の2種類の画面を必ず印刷してください。

① 「銀行名・支店・口座番号・名義人」が載っている画面

紙の通帳でいう「表紙と裏表紙」にあたる情報です。

多くのネット銀行では、ログイン後のトップページや「お客様情報」「口座情報」といったメニューに集約されています。

  • 楽天銀行:ログイン後「My Account」画面
  • PayPay銀行:「普通預金取引明細照会」の上部、または「口座情報」
  • 住信SBIネット銀行:「お客様情報照会・変更」画面

② 振込内容がわかる「取引明細」の画面

資本金が入金された日付と金額が載っている「入出金明細」の画面です。

ここで重要なのは、①と②の画面を印刷して、ホッチキスで留める必要があるという点です。

💡 行政書士の現場メモ(スクショはNG?)

スマホのアプリ画面をスクリーンショットしてコンビニで印刷する…というのは、画質が荒かったりURLが表示されなかったりするため、法務局によっては嫌がられます(補正対象になることも)。

可能な限りパソコンからログインし、ブラウザの印刷機能を使ってA4用紙に出力してください。

その際、ヘッダーやフッターにURLや印刷日時が入っていても問題ありません。Excel等にコピペして加工すると「改ざん」を疑われるので、生データのまま印刷するのが鉄則です。

Step 2:登記申請書類の作成と「収入印紙」の準備

資本金の準備ができたら、それを法務局に証明するための書類一式を作成します。

フォーマットは法務局の公式サイトからダウンロードできますが、重要なのは中身よりも「ハンコの使い分け」です。

申請書・就任承諾書・印鑑届書の必須セットと実印の押し方

登記申請に必要な書類は多岐にわたりますが、代表的なものは以下の通りです。

それぞれ「押すべきハンコ」が決まっています。

🔴 ハンコ押印早見表(ここだけは間違えるな!)

  • ① 登記申請書
    👉 【会社の実印(代表者印)】
    ※法務局に届け出る、作ったばかりの丸いハンコです。申請人の横に押します。
  • ② 就任承諾書(取締役・監査役)
    👉 【個人の実印】
    ※役員になる「覚悟」を示すため、個人の印鑑証明書と同じ実印を押します。
  • ③ 印鑑届書(会社実印の登録用紙)
    👉 【会社実印】と【個人の実印】の両方
    ※ここが一番ややこしい箇所です。「届出印」の欄には会社実印を、「届出人・保証人」の欄には個人の実印を押します。
  • ④ 払込証明書
    👉 【会社の実印】
    ※表紙に代表取締役として会社印を押します。通帳コピーの各ページにまたがって契印(割印)も必要です。

「認印」や「銀行印」の出番はありません。全て実印(会社用 or 個人用)での勝負になります。

15万円の収入印紙は「どこ」で買う?貼付台紙のルール

株式会社の設立登記には、登録免許税として最低15万円(資本金の0.7%)がかかります。

これは現金ではなく「収入印紙」を買って書類に貼ることで納付します。

購入場所:郵便局より「法務局」が安全

15万円分の印紙は、小さな郵便局やコンビニには置いていません。

大きな郵便局ならありますが、現金しか使えないことがほとんどです。

一番確実なのは、「申請当日に、法務局の中にある印紙売り場で買う」ことです。

これなら買い間違いもありませんし、その場で貼れば済みます。

【絶対禁止】印紙に「消印」をしてはいけない!

これが本日一番の警告です。

注意ポイント

契約書に印紙を貼る時は、再使用防止のためにハンコで消印(割印)を押しますが、登記申請書の印紙には、絶対にハンコを押してはいけません。

消印は「法務局の職員」が受領時に専用のスタンプで行います。

もしあなたが気を利かせて自分のハンコで消印をしてしまうと、その印紙は「使用済み」とみなされ、15万円がパーになる(あるいは面倒な還付手続きが必要になる)リスクがあります。

【貼り方】

A4のコピー用紙(白紙)を用意し、真ん中に印紙を貼り付け、「収入印紙貼付台紙」として登記申請書の次のページに合綴(がってつ)します。

これだけでOKです。

💡 行政書士の現場メモ(印紙の再利用は不可)

「間違えて消印しちゃった!」という相談がたまにあります。

厳密には「過誤納還付請求」という手続きをすればお金は戻ってきますが、数ヶ月かかりますし、その日の登記申請には使えません。新しい印紙を買い直す羽目になります。

「印紙は貼るだけ、ハンコは押さない」。これを呪文のように唱えてください。

Step 3:プロ直伝!書類の「製本」と「原本還付」テクニック

書類への押印が終わったら、それらを一冊にまとめます。

これを「製本」と言いますが、単にホッチキスで留めるだけでは不十分です。

「ページが差し替えられていないこと」を証明するハンコが必要です。

📷 画像挿入指示

推奨画像: 書類の左側をホッチキスで留め、ページをめくった継ぎ目に「会社実印」を押している図(契印)。さらに上部余白に「捨印」がある図。

生成用プロンプト: Illustration of legal document binding. 1. Stapled on the left. 2. 'Keiin' (seal) stamped across the fold of two pages. 3. 'Sute-in' (seal) stamped in the top margin. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.

Alt属性: 登記書類の契印と捨印の位置

ミスをその場で救う「捨印」と契印(割印)の正しい押し方

法務局の窓口は、誤字脱字に非常に厳しい場所です。

「1丁目」を「1ー」と書いただけでも修正を求められます。

① 魔法のハンコ「捨印(すていん)」

もし窓口でミスを指摘された時、その場ですぐに訂正できるように、あらかじめ書類の余白(通常は上部)に押しておくハンコのことです。

【実践テクニック】
登記申請書の1枚目の上部空欄に、「会社実印」をポツンと一つ押しておいてください。

これがあれば、軽微なミス(住所のハイフン表記や、単純な誤字)なら、法務局の職員さんが「ここ直しておきますね」と、その捨印を使って修正処理をしてくれます。

これがないと、書類を持ち帰って作り直しになります。

② ページの連続性を証明する「契印(けいいん)」

書類が複数枚になる場合、それらが「一つのセットである」ことを証明するために、ページのつなぎ目にハンコを押します。

  • ホッチキス留めの場合:ページをめくり、前ページと次ページの「境目」に会社実印を押します(全てのページ間に行います)。
  • 製本テープの場合:左側を白い製本テープで袋とじにした場合、テープと紙にまたがるように、表紙と裏表紙に1箇所ずつ押せばOKです(ページごとの押印は不要)。枚数が多い場合はこちらが推奨です。

通帳コピーや議事録を返してもらう「原本還付請求」の書き方

基本的に、法務局に提出した書類は戻ってきません。

しかし、「株主総会議事録」などの重要書類を会社保管用として手元に残したい場合、「原本還付(げんぽんかんぷ)」という手続きを使います。

※注:よくある誤解ですが、資本金証明に使う「通帳」そのものは提出しません(コピーで作った証明書を提出します)。

ですので、通帳本体のために還付請求をする必要はありません。

原本還付の具体的な手順

例えば「就任承諾書」の原本を返して欲しい場合の手順は以下の通りです。

  1. 提出したい書類の「コピー」をとる。
  2. コピーの余白に「原本に相違ありません」と書き、その下に「代表取締役の氏名」を書き、「会社実印」を押す。
  3. 「原本」と「コピー」をクリップ等でセットにして提出する。
  4. 申請書や別紙に「原本還付書類あり」とメモを貼っておく(または窓口で伝える)。

これで、登記完了後に「原本」だけが返却されます。

💡 行政書士の現場メモ(プロは「2部」作る)

正直に申し上げますと、会社設立登記において「原本還付」は面倒です。手続きが複雑になり、法務局でのチェック時間も増えます。

一番賢い方法は、最初から「議事録」や「就任承諾書」を2部(法務局提出用と会社保管用)作成し、両方に実印を押してもらうことです。

これなら、1部を提出してしまっても手元に原本が残ります。

「原本還付」のハンコを押す手間より、サインを2回する手間の方が圧倒的に楽で安全です。

申請後の「完了日」とやるべきこと

法務局の窓口で書類が受理されても、その場で「はい、登記完了です」とはなりません。

中の登記官が書類を審査し、データ入力を行うための期間(審査期間)が必要です。

登記完了まで何日かかる?(履歴事項全部証明書の取得)

時期や法務局の混雑具合にもよりますが、通常は申請から「約1週間〜10日」で登記が完了します(2月〜3月の繁忙期は2週間近くかかることもあります)。

申請した際に、窓口の掲示板や配布されるメモに「登記完了予定日」が記載されています。

この日を過ぎれば、晴れてあなたの会社は法的に完成し、以下の重要アイテムを取得できるようになります。

  • ① 履歴事項全部証明書(登記簿謄本):
    会社の住民票のようなものです。銀行口座開設、税務署への届出、オフィス契約などで大量に(5通〜10通)必要になります。1通600円です。
  • ② 印鑑カード:
    会社の印鑑証明書を取得するための磁気カードです。これがないと印鑑証明が取れません。登記完了後に、別途「印鑑カード交付申請書」を提出して受け取ります。

💡 行政書士の現場メモ(補正の電話に怯える日々)

完了予定日までの間、もし書類に不備があれば、申請書に書いた電話番号に法務局から電話がかかってきます。これを「補正(ほせい)」と呼びます。

「印鑑が薄い」「住所の表記が違う」「日付が矛盾している」…内容は様々ですが、電話が来たら指定された日時にハンコを持って法務局へ出頭し、訂正印を押さなければなりません。

この電話が一度も鳴らずに完了日を迎えることこそが、プロとDIYの決定的な差であり、最大の安堵の瞬間です。

⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」

ここまで読んで「意外と大変そうだな」と思われたなら、その直感は正しいです。

ご自身でやれば専門家報酬は浮きますが、書類作成の学習時間、法務局への往復交通費、そして何より「補正」で呼び出される精神的ストレスは計り知れません。

社長の時給を考えれば、最初からプロに任せて、ご自身は「売上を作る仕事」に専念するのも賢い経営判断です。

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