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【解体屋で独立】会社設立ガイド!解体工事業登録と産廃許可の兼業戦略

【結論】解体工事業の会社設立とは?

解体工事業における会社設立とは、単に法人化するだけでなく、「建設業許可(または解体工事業登録)」と「産業廃棄物収集運搬業許可」という2つのライセンスを組み合わせ、法的にクリーンな受注体制を作ることです。

これにより、元請けからの信頼を獲得し、500万円以上の大型案件公共工事への参入権を手に入れることができます。

行政書士 小野馨
こんにちは!

電子定款実績5000件 行政書士の小野馨です。

今回は、【解体屋で独立】会社設立ガイド!解体工事業登録と産廃許可の兼業戦略についてお話します。

「長年親方の下で腕を磨いてきたが、そろそろ自分の城を持ちたい」

「元請けから『次は法人じゃないと仕事を出せない』と言われた」

そう決意して独立準備を始めたものの、「解体工事業登録と建設業許可、どっちを取ればいい?」「産廃の許可は本当に必要なのか?」という法的な壁にぶつかっていませんか?

解体業は、建設業界の中でも特に法律が複雑に絡み合う分野です。

壊して終わりではありません。

出たゴミ(産業廃棄物)をどう運ぶか、鉄くず(有価物)をどう売るか?

この仕組みを設立段階で設計しておかないと、「不法投棄の疑いで書類送検」「無許可営業で指名停止」という最悪の結末が待っています。

この記事では、5000社以上の支援実績を持つ行政書士が、解体業で独立する職人が知っておくべき「許可の選び方」から「産廃との兼業戦略」、そして「利益を最大化する会社設立フロー」までを徹底解説します。

【警告】紙の定款で認証を受けると、印紙税4万円をドブに捨てることになります。重機やトラックのリース代を確保したい親方にとって、2026年に電子定款を使わない理由は『ゼロ』です。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 空き家バブル到来!「壊す」+「売る(スクラップ)」の利益構造
  • ✅ 500万円の壁:「解体工事業登録」と「建設業許可」の決定的違い
  • ✅ 産廃許可は必須?自社運搬と下請け運搬の「法の落とし穴」
  • ✅ 設立から許可取得までの最強ロードマップ(古物商も忘れずに)

解体屋として独立!「壊すだけ」では生き残れない市場の現実

「解体業はただ建物を壊して更地にする仕事」

そう思っているなら、今すぐその認識を捨ててください。

2026年現在、解体工事業は日本の社会問題解決の最前線にあり、同時に「都市鉱山」を掘り起こす資源ビジネスへと変貌しています。

空き家問題と「解体バブル」の到来

総務省のデータによると、日本の空き家数は過去最高を更新し続けています。

ポイント

これを受け、国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を改正し、倒壊の危険がある「特定空家」に対する行政代執行(強制解体)や、税制優遇の撤廃(固定資産税6倍化)を強力に進めています。

これは何を意味するか?

これまでは「放置されていた実家」が、これからは「所有者が慌てて解体を発注する案件」へと変わるということです。

特に地方都市や郊外においては、今後10年以上、解体需要が供給を上回る「解体バブル」の状態が続くと予測されています。

【利益構造】工事代金+スクラップ売却(有価物)のダブルインカム

解体業で大きく利益を出している会社には、共通の「儲けの仕組み」があります。

それは、元請けからの「工事代金」だけで稼ごうとせず、現場から出る「有価物(鉄・アルミ・銅など)」の売却益を最大化している点です。

参考

例えば、鉄骨造(S造)の建物を解体する場合、大量の鉄スクラップが発生します。

これを単なる「ゴミ(産廃)」として処分場にお金を払って捨てるのか、分別して「資源(有価物)」としてスクラップ業者に売るのか。

この分別スキームが構築できている会社は、処分費を圧縮しつつ売却益を得る「ダブルインカム(二重の収入)」を実現しています。

独立する際は、重機の手配だけでなく、「どこのスクラップ屋が高く買ってくれるか」というルート開拓が、経営の生命線となります。

📷 画像挿入指示

推奨画像: 解体業の収益構造図(「工事売上」と「スクラップ売却益」の2本柱)。

生成用プロンプト: Diagram of revenue streams for demolition business. Two pillars: "Construction Fee" from clients and "Scrap Sales" (steel, copper) from recycling. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.

Alt属性: 解体工事業 利益構造 スクラップ売却

💡 行政書士の現場メモ(定款に「古物商」を入れろ!)

有価物(金属くず)の売買を行う場合、厳密には「古物商許可」や、自治体によっては「金属くず商許可」が必要になるケースがあります。

会社設立時、定款の目的に「解体工事業」しか書いていないと、いざ金属買取の契約をする際や警察の許可を取る際に「目的外行為」とみなされるリスクがあります。

必ず「金属くず及び再生資源の売買」「古物営業法に基づく古物商」といった文言をセットで入れておきましょう。これがプロの定款戦略です。

【許認可の壁】「解体工事業登録」と「建設業許可」の決定的違い

解体業を始めるためのライセンスには、大きく分けて「解体工事業登録」「建設業許可(解体工事)」の2種類が存在します。

名前は似ていますが、その効力は「原付免許」と「大型免許」くらい違います。

結論から言えば、「将来的に元請けとして500万円以上の解体をやりたい」なら、最初から建設業許可を目指すべきです。

請負金額「500万円」の壁と活動エリア(県知事登録の罠)

両者の決定的な違いは、「請負金額の上限」と「営業エリアの制限」にあります。

項目解体工事業登録建設業許可(解体)
請負金額1件あたり
500万円未満(税込)
無制限
(特定許可が必要な場合あり)
活動エリア現場のある
都道府県ごとに登録が必要
営業所があれば
全国どこでも施工可能
技術責任者技術管理者
(実務経験8年など)
専任技術者
(1級・2級土木施工管理技士など)

「500万円未満」のリスク

木造住宅の解体であれば、100万円〜200万円程度なので「登録」でも回ります。

しかし、鉄骨造(S造)やRC造の解体、あるいは「アスベスト除去」を含む案件になると、容易に500万円を超えます。

この時、登録しか持っていないと、「法律違反になるので断る」「違法と知りつつ請けて指名停止になる」かの二択を迫られます。

「県またぎ」の罠

さらに厄介なのがエリア制限です。

「解体工事業登録」は、現場がある都道府県ごとに登録が必要です。

参考

例えば、兵庫県尼崎市(県境)に会社がある場合、隣の大阪府で工事をするには、兵庫県知事登録とは別に「大阪府知事登録」も必要になります。

商圏が広がるたびに申請の手間と手数料がかかり続けるのです。

会社設立時の資本金は「500万円」にすべき理由(許可要件)

建設業許可(一般)を取るためには、「財産的基礎要件」として以下のいずれかを満たす必要があります。

  1. 自己資本の額が500万円以上あること
  2. 500万円以上の資金調達能力があること(残高証明書等)

ここが会社設立の最大の戦略ポイントです。

設立時の資本金を「500万円」に設定しておけば、1の要件を「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」だけでクリアできます。

もし資本金を100万円で設立してしまうと、許可申請の直前に「会社の通帳に500万円以上が入っている状態」を作り、銀行で残高証明書を取らなければなりません。

創業直後のキャッシュフローが厳しい時期に、500万円を塩漬けにするのは経営的に大きな負担です。

「とりあえず小さく始める」のではなく、最初から「建設業許可を見据えた資本金設定」を行うことが、最短で元請けになるための鉄則です。

💡 行政書士の現場メモ(技術管理者の落とし穴)

解体工事業登録には「技術管理者」が必要です。基本は「実務経験8年」でなれますが、これを証明するには過去8年分の「裏付け資料(注文書や請求書)」が必要です。

独立したばかりの方で、「前の会社の書類なんて持っていない」というケースが多発しています。

この場合、1級や2級の施工管理技士などの国家資格を持っていないと、事実上「登録」すらできません。

「腕があれば独立できる」わけではありません。

「資格」か「書類」、どちらかを持っていないと入口で詰みます。

必須セット!「産業廃棄物収集運搬業許可」がないと詰む理由

解体工事と切っても切り離せないのが、現場から出る大量のコンクリートガラ、木くず、プラスチックなどの「産業廃棄物」です。

多くの独立希望者が「自分が解体したゴミなんだから、自分のトラックで処分場に運ぶのに許可なんかいらないだろう」と考えがちですが、廃棄物処理法においてその認識は極めて危険です。

自社で運ぶなら許可は不要?「元請け」と「下請け」の法の罠

法律上、産業廃棄物を排出する事業者(排出事業者)は、工事の「元請業者(発注者から直接請け負った会社)」と定められています。

ここに、下請けで独立する職人がハマる最大の罠があります。

【パターン別:産廃許可の必要性】

  • ケースA:あなたが「元請け」として解体し、運ぶ場合
    → あなたが排出事業者なので、「自社運搬」となり許可は不要です。
    (※ただし、車両への表示義務や書類携帯義務はあります)
  • ケースB:あなたが「下請け」として解体し、運ぶ場合
    → 排出事業者は「元請け会社」です。あなたは他人のゴミを運ぶことになるため、「産業廃棄物収集運搬業許可」が絶対に必要です。

創業当初は、大手解体業者やハウスメーカーの下請けとして仕事をもらうケースがほとんどでしょう。

つまり、産廃許可を持っていないと、解体したガラを現場から運び出すことすらできない(=仕事にならない)というのが現実なのです。

マニフェスト(管理票)違反は即逮捕。法人としての防衛策

産業廃棄物を処理する際、ゴミの移動を記録する「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の運用が義務付けられています。

近年は紙のマニフェストに代わり、スマホで管理できる「電子マニフェスト(JWNET)」の導入が標準化しています。

許可取り消し=廃業のリスク

もし、無許可で運搬したり、マニフェストを交付せずに闇処分したりして摘発された場合、待っているのは以下のような過酷なペナルティです。

  • 刑事罰: 5年以下の懲役 または 1,000万円以下の罰金(併科あり)
  • 行政処分: 建設業許可や解体工事業登録の「取り消し」

産廃法違反で禁錮以上の刑や罰金刑を受けると、建設業法の「欠格要件」にも該当してしまい、持っているすべての許可を剥奪され、その後5年間は再取得できません。

たかがゴミ、されどゴミ。

産廃許可を正規に取得し、マニフェストを適正に運用することは、会社を存続させるための最低限の防衛策です。

💡 行政書士の現場メモ(積替え保管の難易度)

産廃許可には「積替え保管なし(直行)」と「積替え保管あり(一時保管)」の2種類があります。

「自分の置き場にゴミを一旦持ち帰って、溜まってから処分場に運びたい」と考える方が多いですが、この「積替え保管あり」の許可を取るのは至難の業です。

保管場所の床をコンクリートにし、周囲を囲い、看板を立て、さらに近隣住民の同意を得るなど、ハードルが非常に高いのです。

まずは「積替え保管なし(現場から処分場へ直行)」で許可を取り、どうしても置き場が必要な場合は、別途専門家に相談することをお勧めします。

解体工事業の会社設立から開業までの最強ロードマップ

最後に、解体屋として最短で独立し、初月からフル稼働するための具体的なスケジュールを解説します。

最大のポイントは、「許可の申請順序」「講習会の予約」です。

ここを間違えると、会社はできているのに3ヶ月間仕事ができない(許可待ち)という地獄を見ることになります。

STEP1 定款作成(目的には「古物商」も入れろ!)

会社設立の最初のステップである「定款作成」。ここで将来の売上の「器」を作ります。

行政書士として推奨する、解体業者の「最強の事業目的セット」は以下の通りです。

💡 【推奨】解体業の定款目的リスト

  • 1.とび・土工・コンクリート工事及び解体工事業(※建設業許可を見据えて)
  • 2.産業廃棄物収集運搬業(※産廃許可に必須)
  • 3.古物営業法に基づく古物商(※中古品の買取)
  • 4.金属くず商及び再生資源の売買(※スクラップ売却)
  • 5.建築資材の販売及びリース
  • 6.前各号に附帯関連する一切の事業

特に「古物商」と「金属くず」を忘れないでください。

これを入れ忘れると、現場の鉄くずを売ってお金にする際、定款変更の手間(登録免許税3万円)が発生します。

解体業の定款に関してはこちらで詳しくお伝えしています。

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STEP2 設立登記と資金確保

次に法務局への登記申請です。

前述の通り、資本金は「500万円以上」に設定することを強く推奨します。

これにより、建設業許可(解体)を取る際の「財産的基礎要件(純資産500万円以上)」を、面倒な残高証明書なしでクリアできます。

銀行融資を受ける際も、「この社長は本気だ」と評価される重要な要素です。

STEP3 許認可の連鎖(講習会が最大のボトルネック)

会社ができたら許可申請ですが、ここに最大の罠があります。

それは「産業廃棄物の講習会」です。

【最短開業タイムライン】

  • ▼ 0ヶ月目(起業前):産廃講習会の予約
    ※最重要!
    産廃許可を取るには、JWセンター主催の講習会修了証が必須です。しかし、この講習会は常に満席で「2〜3ヶ月待ち」がザラです。会社を作る前に、個人名でいいので先に予約・受講を済ませておいてください。
  • ▼ 1ヶ月目:会社設立登記 & 古物商許可申請
    登記完了後、すぐに警察署へ「古物商許可(約40日かかる)」を申請します。
  • ▼ 2ヶ月目:建設業許可(または解体登録)& 産廃許可申請
    資格要件を満たしているなら、登録ではなく最初から「建設業許可」を申請します(審査約1〜2ヶ月)。同時に、講習会の修了証を使って「産廃許可」も申請します(審査約2ヶ月)。
  • ▼ 3〜4ヶ月目:フルライセンスで開業
    すべての許可が揃い、500万円以上の工事も、産廃運搬も、スクラップ売却も堂々と行える「強い解体屋」の誕生です。

⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」

「とりあえず解体登録だけ自分でやろう」として、後から「やっぱり産廃も」「建設業も」と追加していくと、その都度住民票や納税証明書を取り直すことになり、時間と手数料の無駄遣いになります。

特に解体業は、警察(古物)、都道府県(建設・産廃)、法務局(登記)と相手にする役所が多く、書類の整合性を取るのが非常に困難です。

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