会社設立・法人化

経営判断の失敗原因はこれだ!社長を狂わせる「3つのバイアス」と回避法

「俺の勘に間違いはない」…その過信が、会社の寿命を縮めています。
経営判断のミスは「能力」ではなく「脳の仕組み」が原因です。

こんにちは!
開業20年で5000社以上の起業家を支援し、エグゼクティブコーチとしても活動する行政書士の小野馨です。

今回は【経営判断の失敗とバイアス】という、社長の脳内で起きている「怖いバグ」についてお話しします。

「あの時、撤退しておけばよかった…」
「なぜ、あんな人材を採用してしまったんだ…」

夜、布団の中で過去の失敗を思い出し、枕を濡らしたことはありませんか?

多くの経営者は、失敗した時「自分には経営の才覚がない」と自分を責めます。

しかし、断言します。

それはあなたの能力不足ではありません。

人間の脳に元々備わっている**「認知バイアス(思考の偏り)」**というプログラムが、正常に作動した結果にすぎないのです。

この「脳の罠」を知らないまま経営を続けるのは、目隠しをして地雷原を歩くようなものです。

逆に言えば、罠の正体さえ知っていれば、回避することは可能です。

この記事では、優秀な社長ほどハマりやすい「3つのバイアス」を解剖し、脳のバグを強制解除する具体的なメソッドをお伝えします。

▼ この記事のポイント ▼

  • ✅ 「もったいない」精神が傷口を広げるメカニズム
  • ✅ 人は「見たいものしか見ない」生き物である
  • ✅ 成功者の真似をして失敗する「生存者バイアス」の恐怖
  • ✅ プロを活用して脳のバグを回避する方法

なぜ優秀な社長ほど失敗するのか?経営判断を狂わせる原因「3つのバイアス」

なぜ優秀な社長ほどハマるのか?経営判断を狂わせる「3つのバイアス」とは、過去の成功体験や強い責任感があるからこそ陥ってしまう、脳の「認知の歪み」のことです。

経営とは、決断の連続です。

しかし、私たちの脳は、エネルギーを節約するために「直感」や「経験則」で素早く判断しようとする癖があります。

平時ならそれで問題ありませんが、社運を賭けた重要な局面でこの「省エネモード」が作動すると、致命的なミスにつながります。

まずは、代表的な3つの「脳のバグ」を知り、敵(自分の脳)の正体を理解しましょう。

バイアス名思考のパターン典型的なセリフ
① サンクコスト効果過去の投資を取り戻そうとして、さらなる損失を出す「ここまでお金をかけたんだから、後には引けない」
② 確証バイアス自分の仮説に合う情報だけを集め、反証を無視する「ほら、やっぱりこの事業は伸びるって書いてある」
③ 生存者バイアス成功した一部の例だけを見て、敗者を考慮しない「スティーブ・ジョブズもこうやったんだから大丈夫」

【サンクコスト効果】「もったいない」が失敗の傷口を広げる

【サンクコスト効果】「もったいない」が失敗の傷口を広げるとは、すでに回収不可能な過去のコスト(埋没費用)に執着し、非合理的な投資を続けてしまう心理現象のことです。

これは、真面目で責任感の強い社長ほど陥りやすい罠です。

私が過去に相談を受けた、ある飲食店オーナーの事例をお話しします。

彼は内装に1000万円をかけて店をオープンしましたが、立地が悪く、半年経っても赤字垂れ流しでした。

客観的に見れば、即時撤退して傷を浅くすべきです。

しかし彼は、「1000万円もかけたのに、今やめたら全部ムダになる!」と言って、さらに広告費を投入し続けました。

結果、借金は3000万円に膨れ上がり、倒産しました。

経営判断において重要なのは、「過去にいくら使ったか」ではなく、**「これからいくら稼げるか」**だけです。

サンクコスト(過去)は無視する。

言葉で言うのは簡単ですが、脳は「損失」を極端に嫌う(損失回避性)ため、これを実行するには強烈な痛みと勇気が必要です。

もし今、「もったいない」という言葉が頭をよぎったら、それは脳があなたを**失敗**の沼に引きずり込もうとしている合図だと思ってください。

【確証バイアス】自分に都合の良い情報しか見えなくなる原因

【確証バイアス】自分に都合の良い情報しか見えなくなる原因とは、無意識のうちに自分の意見(仮説)を肯定する情報ばかりを集め、否定的な情報を「例外」や「間違い」としてシャットアウトしてしまう脳の性質のことです。

人間は、自分が信じたいことを信じる生き物です。

例えば、「この新規事業は絶対に当たる!」と思い込んだ社長は、ネット検索でも「その事業の成功事例」ばかりをクリックします。

「市場規模縮小」「撤退事例」という不都合なタイトルは見えていても、脳が認識しません。

私が行政書士として事業計画書をチェックする際、よく社長にこう尋ねます。

「社長、このプランが失敗するとしたら、**原因**は何だと思いますか?」

確証バイアスにかかっている社長は、この質問に答えられません。

「いや、失敗するわけがないんですよ」と反論してきます。

これは自信ではなく、単なる「盲目」です。

実は、ここで多くの人が損をしています。イエスマンの部下だけを周りに置くと、このバイアスは加速し、裸の王様になります。その回避策はこちら↓

合わせて読みたい:批判的思考(クリティカルシンキング)を鍛える5つの質問(※準備中)

正しい経営判断をするためには、あえて「自分の考えを否定する材料」を探しに行く姿勢も大切なんです。

【生存者バイアス】成功者の真似をして討ち死にする罠

【生存者バイアス】成功者の真似をして討ち死にする罠とは、激しい競争を勝ち抜いたごく一部の「生存者(成功者)」の戦略だけを分析し、同じことをやって敗れ去った無数の「死者(敗者)」のデータを見落とす錯誤のことです。

ビジネス書やセミナーでよくある「私はこれで成功しました」というノウハウ。

これを鵜呑みにするのは非常に危険です。

なぜなら、その成功者が勝てたのは、戦略が正しかったからではなく、単に「運が良かっただけ」かもしれないからです。

例えば、「大学を中退して起業し、世界的なIT企業を作った」というストーリー。

これに憧れて大学を辞める若者がいますが、その裏には「大学を辞めて起業し、借金を抱えて消えていった何万人もの若者」の死体が転がっています。

経営判断においては、スポットライトが当たっている成功例だけでなく、**「闇に葬られた失敗例」**にこそ真実が隠されています。

「なぜ彼らは失敗したのか?」

この「死因分析」を行わずに、表面的な成功の真似事をしても、同じ墓穴を掘るだけです。

あなたの脳にかかっているこの強力な**バイアス**を解除しなければ、生き残ることはできません。

では、どうすればこの頑固な「脳のバグ」を取り除けるのでしょうか?

次章では、私が実践しているプロの回避メソッドを公開します。

脳のバグを強制解除する!プロが実践する「回避法」

脳のバグを強制解除する!プロが実践する「回避法」とは、自分の意志力に頼るのではなく、物理的な仕組み(他人や身体機能)を使って、強制的に冷静な視点を取り戻すシステムのことです。

残念ながら、認知バイアスは「よし、気をつけよう!」と意識するだけでは防げません。

なぜなら、バイアスがかかっている時、本人は「自分は正常だ」と思い込んでいるからです。

これを打破するには、外部からの強制介入が必要です。

私が多くの成功している経営者を見てきて気づいたのは、彼らが皆、**「自分を信じていない」**という点です。

彼らは自分の脳がエラーを起こすことを前提に、二重三重の安全装置(セーフティネット)を日常業務に組み込んでいます。

ここからは、私がクライアントに提供している、即効性のある3つの解除キーを紹介します。

行政書士を「悪魔の代弁者」として使い経営判断を磨く

行政書士を「悪魔の代弁者」として使い経営判断を磨くとは、重要な意思決定の際に、あえて「反対意見」や「最悪のシナリオ」を指摘する役割を専門家に演じてもらい、確証バイアスを破壊する手法のことです。

「悪魔の代弁者(Devil's Advocate)」という言葉をご存知でしょうか?

元々はカトリック教会で聖人を認定する際、あえて候補者の欠点を指摘する検察官役を置いたことに由来します。

経営において、これほど重要な役割はありません。

社内の役員や部下は、どうしても社長の顔色を伺い、「素晴らしいアイデアですね!」と賛成(忖度)しがちです。

これではバイアスは強化される一方です。

そこで、私たちのような利害関係のない外部の行政書士を使うのです。

私は顧問先との会議で、意識的にこう切り出します。

「社長、そのプランは魅力的ですが、もし法改正でこの規制が入ったら、売上はどうなりますか?」

「この契約書の条文だと、相手が倒産した時に連鎖倒産するリスクがありますが、許容できますか?」

冷や水を浴びせるような私の言葉に、社長は一瞬ムッとします。

しかし、この「不快な指摘」こそが、脳のバイアスを強制解除するスイッチなのです。

指摘されて初めて、「あ、その視点はなかった」と気づき、盲点が消えます。

過去に、ある不動産会社の社長が、莫大な広告費をかけた新規プロジェクトの直前で、私の「悪魔の指摘」により契約書の不備に気づき、白紙撤回したことがありました。

結果的に、そのプロジェクトに関わっていた取引先は半年後に詐欺で逮捕されました。

「あの時、小野さんが止めてくれなかったら、会社が飛んでいました」

社長は安堵の涙を流していました。

行政書士は単なる書類作成屋ではありません。

あなたの脳が熱くなりすぎた時に、法的な根拠を持ってブレーキを踏む「クールダウン装置」として活用してください。

(自分でやるのが面倒な方は、丸投げも可能です)

自分で自分に反論するのは難しいものです。プロに「反論役」を丸投げすることで、思考の質は劇的に向上します。

「ハートと脳のコヒーランス」で扁桃体の暴走を止める

「ハートと脳のコヒーランス」で扁桃体の暴走を止めるとは、心臓のリズムを整える特定の呼吸法を行うことで、恐怖や興奮を司る脳の部位(扁桃体)を鎮め、論理的な判断を行う前頭葉を活性化させる生理学的なアプローチのことです。

バイアスがかかっている時、脳は「サバイバルモード(闘争・逃走反応)」になっています。

視野が狭くなり、短期的な利益や恐怖回避にしか目がいかなくなります。

この状態で、いくら論理的に考えようとしても不可能です。

まずは、身体(ハードウェア)をリセットしなければなりません。

ここで有効なのが、アメリカのハートマス研究所が提唱する**「コヒーランス法」**です。

やり方は簡単です。

1. 心臓に手を当て、意識を心臓に集中させる。
2. 心臓から息が出入りするイメージで、普段より少しゆっくり呼吸する(5秒吸って、5秒吐く)。
3. 感謝の気持ちや、安心できる情景を思い浮かべる。

これを3分間行うだけで、心拍変動が整い、脳波が安定します。

これを「ゾーンに入る」とも言います。

私が担当するあるIT企業の社長は、重要な契約書にハンコを押す前、必ず社長室でこの呼吸法を行っています。

「以前は焦ってサインして失敗ばかりしていたが、これをやると『待てよ、この条文はおかしい』と冷静に気づけるようになった」と語っています。

実は、ここで多くの人が損をしています。怒りや焦りのままメールを返信し、取り返しのつかないトラブルになるケースです。その回避策はこちら↓

合わせて読みたい:経営者のためのアンガーマネジメントとコヒーランス(※準備中)

精神論ではなく、心拍という生体信号をコントロールすることで、**物理的にバイアスを解除する**。

これは、現代の経営者が持つべき必須スキルです。

参考情報:HeartMath Institute: Science of Coherence

判断基準を「感情」から「定款(ルール)」へ戻す

判断基準を「感情」から「定款(ルール)」へ戻すとは、迷った時に立ち返るべき原点として、創業時の理念や規則が記された「定款」を読み返し、当初の目的に沿っているかを再確認する作業のことです。

サンクコスト効果や生存者バイアスにハマっている時、判断基準は「恐怖」や「欲望」という**感情**になっています。

しかし、会社には本来、冷静な時に定めた「憲法(定款)」があるはずです。

定款の第2条(目的)を見てください。

そこに「怪しい投資で一攫千金を狙う」と書いてありますか?

書いていないはずです。

「IT技術を用いて社会に貢献する」「地元の食材を広める」といった、純粋な志が書かれているはずです。

バイアスに侵された脳は、この原点を忘れさせます。

私が知る限り、道に迷った時に定款を読み返す習慣を持っている社長は、大きく道を踏み外しません。

ある製造業の社長は、新規事業で大失敗し、撤退すべきか悩んでいました。

サンクコスト効果で「もったいない」と泥沼化していましたが、私と一緒に定款を読み返した時、ハッとしました。

「私の会社の目的は『最高の技術で顧客の安全を守る』でした。今のこの赤字事業は、技術もおろそかで、顧客のためになっていませんね」

彼はその場で撤退を決断しました。

定款は、役所に提出して終わりではありません。

それは、あなたの脳がバグを起こした時に、**「正気」に戻してくれるアンカー(錨)**なのです。

[画像指示: 荒波の中で船(経営者)を繋ぎ止める錨(定款)のイメージ図 (alt: "定款 経営理念 経営判断")]

あなたが得られる未来

ここまで、経営判断を狂わせるバイアスと、その回避法についてお話ししてきました。

失敗は、怖くありません。

怖いのは、失敗の原因が「脳のバグ」だと気づかず、同じ過ちを繰り返すことです。

今日からあなたは、自分の直感を過信せず、プロの視点と科学的な呼吸法、そして定款という原点を使って、冷静冷徹な判断ができる経営者へと進化します。

「あの時、踏みとどまって本当によかった」。

数年後、あなたは危機を回避し、堅実に成長した会社の社長室で、そう安堵の息をついていることでしょう。

経営とは、情熱と冷静さのバランスゲームです。

あなたの情熱が暴走しないよう、私たちが全力で「冷静さ」を担保します。

さあ、まずは深呼吸をして、脳をクリアにすることから始めましょう。

🚀 今日から始める「3つの行動」

  • 重要な決断の前には必ず「3分間のコヒーランス呼吸」を行う
  • イエスマンではない「耳の痛いこと」を言う専門家とアポを取る
  • 自社の定款(目的)をコピーして、デスクの見える位置に貼る

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よくある質問(FAQ)

Q1. バイアスはトレーニングすれば自分で気づけるようになりますか?

A. ある程度は可能ですが、完全には不可能です。脳の構造上、自分の背中が見えないのと同じで、自分の思考の歪みを自分で認識することには限界があります。だからこそ、常に「外部の目(専門家)」を持つことが、最もコストパフォーマンスの良いリスク管理となります。

Q2. 経営判断に迷った時、行政書士は何をしてくれますか?

A. 感情論ではなく、「法的な実現可能性」と「リスク」の観点から判断材料を提供します。例えば、新規事業の撤退ラインを契約書にどう盛り込むかなど、具体的な「出口戦略」を設計することで、迷いを断ち切るサポートをします。

Q3. コヒーランス呼吸法は1日何回やればいいですか?

A. 決まりはありませんが、朝の始業前、重要な商談の前、そして夜寝る前の3回をお勧めしています。特に商談前の3分間は、相手の心理を読み取る余裕が生まれるため、交渉結果に大きな差が出ます。

この記事の監修者:行政書士 小野馨
行政書士歴20年。5000社以上の支援実績を持つ。
「経営者の脳のバグ」を行動経済学と脳科学の観点から分析し、失敗しない意思決定を支える「戦略的法務パートナー」として活動中。

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