この記事の結論:公証役場は「いきなり行く」場所ではありません。事前の「案文確認」と「持ち物チェック」さえ完璧なら、当日は15分で終わる事務作業です。
警告:印鑑証明書の期限切れや、CD-Rのデータ書き込みミスによる「出直し(二度手間)」が多発しています。必ず最後までご確認ください。

開業20年で5000社以上の起業をサポートし、無数の定款を公証役場で認証してきた行政書士の小野馨です。
今回は、会社設立の最大の難関とも言える「公証役場での定款認証」について、徹底解説します。
「初めて公証役場に行くけれど、独特の雰囲気に飲まれそうで怖い」
「書類に不備があって、窓口で怒られたり、出直しになったらどうしよう」
そんな不安を感じていませんか?
しかし、恐れる必要はありません。公証役場でのトラブルの9割は、「事前の準備不足」と「持ち物の勘違い」が原因です。逆に言えば、正しい手順とチェックリストさえ手元にあれば、誰でもスムーズに通過できる単なる通過儀礼に過ぎません。
そこで本記事では、行政書士が現場で実践している「一発で認証をクリアするための完全マニュアル」を公開します。必要書類から当日のリアルな動きまで、これを読めば迷うことはありません。
▼ この記事のポイント ▼
- ✅ 株式会社は必須だが、合同会社なら認証不要(0円)
- ✅ 認証手数料は約3〜5万円。資本金額によって変わる
- ✅ 「管轄」を間違えると、予約すらできない
- ✅ 飛び込みはNG。必ずFAXかメールで「事前確認」を
※なお、まだ定款そのものが完成していない方は、以下の記事で定款作成の基本を押さえてから本記事にお戻りください。
🔗 関連記事:[【完全保存版】株式会社の定款作成マニュアル(現在準備中)]
🔗 関連記事:[電子定款の作り方と電子署名の設定方法(現在準備中)]
そもそも「公証役場での定款認証」とは?(全体像とコスト)
「定款認証」とは、あなたが作成した会社のルールブック(定款)が、法令に違反しておらず、正当な手続きで作られたものであることを、公の専門家である「公証人」に証明してもらう手続きのことです。
なぜこの手続きが必要なのか? それは、後々の紛争を防ぎ、対外的な信用を担保するためです。まずは、費用の全体像と基本的なルールを押さえましょう。
[画像指示: 公証役場のカウンターで公証人と向き合っているビジネスパーソンのイラスト (推奨ファイル名: notary-office-scene.jpg, alt: 公証役場での定款認証)]💡 3秒でわかるまとめ
- 株式会社=認証必須、合同会社=不要。
- 手数料は資本金に応じて3〜5万円。
- 必ず「本店と同じ都道府県内」の役場へ行くこと。
株式会社は「必須」、合同会社は「不要」。その決定的違い
定款認証とは、株式会社を設立する場合に限り、法務局への登記申請前に必ず行わなければならない義務手続きのことです。
実務の現場では、「合同会社(LLC)でも認証は必要ですか?」という質問をよく頂きますが、答えはNOです。合同会社の場合、定款の作成は必要ですが、公証人による認証は不要です。つまり、公証役場に行く必要すらありません。
なぜこの違いがあるのでしょうか。理由は、株式会社が本来「不特定多数からの出資」を想定した形態だからです。
出資者(株主)や債権者を保護するため、定款という根本規則が適正であることを、第三者機関である公証役場が厳格にチェックする仕組みになっています。一方、合同会社は出資者=経営者という「身内」の性質が強いため、このプロセスが省略され、スピーディーかつ安価に設立できるのです。
🔗 関連記事:[株式会社と合同会社どっちがいい?メリット・デメリット徹底比較(現在準備中)]
【1円単位で算出】定款認証にかかる費用総額(手数料・謄本代・印紙)
定款認証にかかる費用とは、「公証人手数料(約3〜5万円)」+「定款謄本代(約2,000円)」+「収入印紙代(紙の場合4万円)」の合計額のことです。
「結局、いくら現金を持って行けばいいの?」
ここが最も気になるところでしょう。実は、令和4年の制度改正により、資本金の額に応じて手数料が3段階に分かれました。以下に、電子定款(印紙代0円)で設立する場合のリアルな費用内訳を提示します。
| 費目 | 資本金100万円未満 | 資本金100万〜300万円未満 | 資本金300万円以上 |
|---|---|---|---|
| 公証人手数料 | 30,000円 | 40,000円 | 50,000円 |
| 定款謄本代 (約250円×8ページと仮定) | 約2,000円 | 約2,000円 | 約2,000円 |
| 収入印紙代 (※電子定款なら0円) | 0円 | 0円 | 0円 |
| 合計(持参目安) | 約32,000円 | 約42,000円 | 約52,000円 |
【重要】 紙の定款で認証を受ける場合は、上記に加えて収入印紙代40,000円が別途必要になります。コストを抑えたいなら、電子定款一択です。
どこの公証役場でもいいの?「管轄」の絶対ルール
公証役場の管轄ルールとは、「会社の本店所在地がある都道府県内の公証役場」でなければ認証を受けられない、という鉄則のことです。
「実家が東京で、設立する会社は大阪。帰省のついでに東京で認証したい」
これは不可です。本店が大阪府内にあるなら、大阪府内の公証役場(梅田、難波、東大阪など)でなければなりません。東京都の公証役場に行っても、門前払いされます。
ただし、同一都道府県内であれば、どこの役場でも構いません。例えば、東京都八王子市に本店を置く場合、八王子公証役場だけでなく、丸の内や新宿の公証役場でも認証可能です。予約が取りやすい場所や、交通アクセスの良い場所を選びましょう。
【チェックリスト付】定款認証に必要な書類と持ち物
公証役場での失敗の大半は「忘れ物」です。特に、印鑑証明書や修正用の印鑑を忘れると、その場で手続きがストップし、日を改めて出直しとなります。
ここでは、発起人本人が行く場合と、代理人が行く場合に分けて、絶対に忘れてはいけない持ち物をリストアップしました。スマホでこの画面を見ながら準備してください。
[画像指示: 書類や印鑑、CD-Rなどが机の上に並べられているチェックリスト風の写真 (推奨ファイル名: checklist-documents.jpg, alt: 定款認証の必要書類)]💡 3秒でわかるまとめ
- 発起人の印鑑証明書は発行3ヶ月以内。
- 電子定款ならCD-R等のメディア必須。
- 代理人の場合は「委任状」を忘れるな。
発起人(出資者)本人が公証役場に行く場合
発起人本人(定款を作成した人)が公証役場に出向く場合、以下の持ち物が必須となります。
- ✅ 定款(紙の場合): 3通(公証役場保存用、会社保存用、登記申請用)
- ✅ 発起人の印鑑証明書: 発行後3ヶ月以内のもの1通
- ✅ 発起人の実印: 定款に押印したものと同じ印鑑
- ✅ 身分証明書: 運転免許証やマイナンバーカード(顔写真付き)
- ✅ 現金: 前述の手数料+謄本代(お釣りのないように)
- ✅ 空のCD-Rなど: 電子定款の場合のみ(※後述)
実務上の注意点として、印鑑証明書は「発行から3ヶ月以内」である必要があります。準備が長引いて期限切れになっていないか、必ず日付を確認してください。
代理人(家族・友人)に行ってもらう場合の追加書類(委任状)
代理人による認証とは、発起人が忙しい場合に、家族や友人、または行政書士などに代わりに公証役場へ行ってもらう手続きのことです。
「平日は会社員として働いているので、妻に行ってもらいたい」
こういったケースはよくあります。この場合、上記「本人の持ち物」に加えて、以下の2点が絶対に追加で必要になります。
1. 委任状(いにんじょう)
発起人が「この人に定款認証の手続きを任せました」と証明する書類です。発起人の実印が押されている必要があります。定款の内容に修正が必要になった場合に備え、「捨印(すていん)」も必ず押しておきましょう。
2. 代理人の身分証明書と認印
窓口に来た人が誰かを確認するため、代理人の免許証等と、認印(シャチハタ不可)が必要です。
🔗 関連記事:[【テンプレート付】定款認証の委任状の書き方と捨印のルール(現在準備中)]
【要注意】電子定款の場合に持参すべき「空のメディア」の正体
電子定款のメディアとは、認証を受けた電子定款データを受け取るための、「何も入っていない空のCD-R(またはUSBメモリ)」のことです。
「え? 電子署名したPDFデータが入ったCD-Rを持っていくんじゃないの?」
ここが最大の勘違いポイントです。
電子定款の申請自体は、事前にオンライン(法務省の登記・供託オンライン申請システム)で行います。公証役場に持参するのは、認証済みのデータを書き込んでもらうための「受け取り用の箱(メディア)」です。
公証役場によっては、CD-Rしか受け付けない場所や、USBメモリOKの場所、あるいは事前にメールで送ればメディア不要の場所など、ローカルルールが存在します。必ず事前に電話やメールで「認証データの受け取り媒体は何が必要ですか?」と確認してください。
行政書士 小野馨の「ここだけの話」
昔ながらの公証役場では、いまだに「新品のCD-R」しか受け付けてくれないことがよくあります。USBメモリだと「ウイルス対策のため不可」と断られることも。100円ショップのもので十分なので、未開封のCD-Rを1枚用意していくのが、最も安全な「プロの処世術」です。
失敗回避!予約から認証完了までの「当日の流れ」
「必要書類は揃えた。あとは当日行くだけ」
そう思っているなら、危険信号です。公証役場での認証をスムーズに終えるための勝負は、実は「当日」ではなく「前日まで」に決まっています。
ここでは、プロが必ず行っている「事前案文確認」から、当日のリアルな所要時間、そして万が一ミスが見つかった場合の緊急対処法まで、時系列で完全シミュレーションします。これさえ頭に入れておけば、公証人の前で冷や汗をかくことはありません。
[画像指示: 公証役場の受付や待合室、面談室の様子を描いたフローチャート図 (推奨ファイル名: flow-of-notarization.jpg, alt: 定款認証当日の流れ)]💡 3秒でわかるまとめ
- 「事前案文確認」なしの突撃は自殺行為。
- 当日は約20分。署名して現金払って終了。
- 誤字発見時は「捨印」か「訂正印」で救済可能。
【最重要】いきなり行くな!「事前案文確認」の作法
事前案文確認とは、公証役場へ訪問する前に、作成した定款のドラフト(案)をFAXやメールで公証人に送付し、「この内容で法的に問題ないか」を事前にチェックしてもらうプロセスのことです。
実務の現場では、この「事前確認」を行わずに、いきなり予約をして訪問する初心者が後を絶ちません。しかし、これは非常にリスクが高い行為です。
なぜなら、公証人は「当日は完成した書類に判を押すだけ」の状態を求めているからです。もし当日のカウンターで「事業目的の文言が曖昧だ」「条文の番号がズレている」といった不備が見つかった場合、その場での修正は困難です。結果、「持ち帰って作り直し」という最悪の二度手間が発生します。
具体的な手順は以下の通りです。
管轄の公証役場に電話し、「会社設立の定款認証をお願いしたいのですが、事前に案文を見ていただけますか?」と伝える。
指定された方法(FAXまたはメール)で定款案を送る。
公証人から電話等でフィードバック(修正指示)が来る。
指示通り修正し、OKが出たら訪問日時を予約する。
このプロセスを踏めば、当日の認証は「単なる確認作業」になり、100%確実に完了します。急がば回れ。これが最短ルートです。
当日のリアルな動き(受付・本人確認・署名・受領)
当日の動きとは、予約時間に公証役場へ到着してから、認証済み定款を受け取って帰るまでの、およそ20分〜30分程度の一連のフローのことです。
「公証役場なんて行ったことないし、怖い先生が出てきたらどうしよう」
そんな不安を持つ必要はありません。公証人は元裁判官や元検察官などの法律家ですが、利用者はあくまで「お客様」です。事前確認さえ済んでいれば、事務的に進みます。具体的なステップを見てみましょう。
Step 1:受付
予約時間の5〜10分前には到着しましょう。受付で名前を伝え、持参した書類(定款、印鑑証明書、身分証など)と電子メディア(CD-R等)を渡します。
Step 2:公証人との面談
準備ができると個室(またはブース)に呼ばれます。公証人が本人確認を行い、「会社を作る意思に間違いありませんか?」と簡単な質問をします。「はい、間違いありません」と答えればOKです。
Step 3:署名・押印
公証人の面前で、嘱託人(しょくたくにん)としての署名を求められます。持参した実印を使用する場合もあります。
Step 4:支払い・受領
手続きが終わると、手数料の計算書が渡されます。現金で支払いを済ませると、認証済みの定款謄本(紙)と、データが入ったメディアが返却されます。これで完了です。
もしミスがあったら?現場での修正方法と「訂正印」の威力
現場での修正対応とは、当日になって定款の誤字脱字などが発覚した場合に、「訂正印」を使ってその場で修正し、認証を強行突破する緊急テクニックのことです。
どれだけ準備しても、人間ですからミスは起こります。「本店所在地の住所、1丁目2番3号じゃなくて、2番4号だった!」といった致命的なミスが、公証人の最終チェックで見つかることもあります。
この時、あなたを救うのが「発起人の実印」です。
紙の定款であれば、間違った箇所に二重線を引き、正しい文言を書き、その近くに実印で訂正印を押すことで、修正が認められます。
さらに強力な保険が「捨印(すていん)」です。定款の余白(通常は上部)に、あらかじめ実印を押しておくことです。これがあれば、「軽微な修正なら、公証人の権限で直しておいてください」という意思表示になり、自分で訂正印を押さなくても修正が可能になります。
ただし、会社名(商号)や事業目的の根本的な変更など、内容を大きく変える修正は認められません。あくまで「誤字脱字レベルの救済措置」と心得てください。だからこそ、事前案文確認が重要なのです。
最近話題の「テレビ電話認証」は現実的か?
テレビ電話認証とは、公証役場に直接出向くことなく、スマホやPCのビデオ通話機能を使って、公証人の面前認証と同じ効果を得る制度のことです。
コロナ禍以降に普及した便利な制度ですが、「行かなくていい=楽」と安易に飛びつくのは危険です。ITリテラシーと環境設定のハードルがあり、かえって時間がかかるケースも多発しています。
[画像指示: パソコンの前でビデオ通話を行いながら、マイナンバーカードをかざしている様子のイラスト (推奨ファイル名: video-notarization.jpg, alt: 定款のテレビ電話認証)]💡 3秒でわかるまとめ
- 役場に行かずに認証可能だが、事前準備が複雑。
- マイナンバーカードと署名用ソフトが必須。
- 不慣れなら「現地訪問」の方が圧倒的に早い。
テレビ電話認証ができる条件とメリット・デメリット
テレビ電話認証を利用するための条件は、「マイナンバーカードと読み取り対応スマホ(またはICカードリーダー)」を持ち、「専用ソフトのセットアップ」を完了できることです。
メリットは明白です。移動時間ゼロ、交通費ゼロ。自宅やオフィスから一歩も出ずに認証が完了します。特に、管轄の公証役場が遠方にある場合や、忙しくて平日日中に移動できない場合には有効な選択肢です。
しかし、デメリットも強烈です。
まず、公証人連合会の専用システムへの登録や、電子署名プラグインのインストールなど、IT環境の構築が非常に煩雑です。「ブラウザが対応していない」「カードが読み取れない」といったシステムトラブルで、結局1時間以上格闘することになるケースも珍しくありません。
また、認証された定款(原本)は電子データですが、結局「定款謄本(紙)」を郵送で送ってもらう手続きが必要になり、手元に届くまでに数日のラグが発生します。即日登記申請したい場合には向きません。
結論:慣れていない人は「現地訪問」の方が安全な理由
結論として、ITエンジニア等の専門職でない限り、初めての会社設立なら「現地訪問」を選択すべきです。
理由はシンプルで、「対面の方が、何かあった時のリカバリーが早いから」です。
現地に行けば、何かわからないことがあっても公証人がその場で教えてくれます。訂正印もその場で押せます。システムエラーで止まることもありません。所要時間20分で確実に「完了」という成果を持ち帰ることができます。
「テレビ電話の設定マニュアルを読み解くのに3時間使い、結局エラーで翌日に持ち越し」になるくらいなら、往復1時間かけて役場に行った方が、経営資源である「時間」を節約できる。これが、数多くの起業家を見てきた私の結論です。
あなたが得られる未来:定款認証は「最初の成功体験」になる
定款認証とは、あなたが頭の中で描いていた事業が、法的な実体を持つための「産声」を上げる瞬間です。
公証役場のドアを出て、認証済みの定款を手にした時、あなたはこう感じるはずです。「本当に会社ができるんだ」という高揚感と、「面倒な手続きを自力で突破した」という自信。
この自信は、その後に続く法務局への登記申請、税務署への届出、そして銀行口座の開設というハードルを越えるためのエンジンになります。
脅かすようなことも書きましたが、事前準備さえしていれば恐るるに足りません。この壁を越えれば、あなたはもう「起業準備中の人」ではなく、「一国一城の主」への最終コーナーを回ったことになります。
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⚠️ 免責事項と画像について
本記事内で使用している画像は、すべて生成AIによって作成されたイメージです。
記事の内容は執筆時点の法令・情報に基づいています。法改正や自治体の条例により最新の要件と異なる場合がありますので、実務の実行にあたっては、必ずご自身で管轄の行政庁または専門家へ確認を行ってください。
承知いたしました。 それでは、設立スピードの決定的な差となる「時間対決」から、最終的な経営判断の基準、そして完結までを執筆します。
行政書士として、「時は金なり」を最もシビアに体感できるこのフェーズを、具体的な日数シミュレーションを交えて解説します。
【時間対決】公証役場に行かないだけで「最短1日」も可能に
「来月1日の大安に会社を設立したい」
そんな相談を受けた時、私は必ずこう聞き返します。「株式会社ですか? それとも合同会社ですか?」。なぜなら、両者には設立にかかる所要日数に、埋めがたいタイムラグが存在するからです。
結論から言えば、合同会社なら「思い立ったその日」に設立(登記申請)が可能ですが、株式会社の場合はどんなに急いでも数日〜1週間の準備期間が必要です。そのボトルネックこそが、他ならぬ「公証役場」なのです。
[画像指示: カレンダーのイラスト。株式会社の予定表には「定款確認」「予約」「訪問」の予定がびっしりだが、合同会社の予定表は「設立日」のみでシンプル (推奨ファイル名: establishment-timeline.jpg, alt: 株式会社と合同会社の設立スピード比較)]💡 3秒でわかるまとめ
- 株式会社は公証人とのアポ取り合戦で時間が溶ける。
- 合同会社は自分のペースで完結。最短即日も可能。
- 急ぎの許認可ビジネスなら合同会社が有利。
株式会社のタイムロス:「事前確認」と「予約」で1週間飛ぶ
株式会社の設立スピードを鈍らせる最大の要因は、「他人のスケジュールに依存する」という点です。
前述の通り、株式会社の定款認証には「事前案文確認」と「訪問予約」が必須です。これが実務上、どれほどのタイムロスを生むか、リアルな月曜日の朝を想像してください。
月曜日: あなたは定款を書き上げ、公証役場へFAXを送ります。
火曜日: 公証人が忙しく、まだチェックが終わりません。連絡待ちです。
水曜日: 公証人から「修正箇所があります」と連絡。修正して再送します。
木曜日: OKが出ました。「じゃあ明日行きます」と言いますが、「明日は予約がいっぱいです。来週の月曜日に来てください」と言われます。
翌週月曜日: やっと認証完了。法務局へ申請。
このように、公証役場の混雑状況や公証人の都合により、あなたのコントロールできない部分で、平気で1週間が飛んでいきます。特に3月や9月などの繁忙期は、予約が取れずに2週間待ちというケースも珍しくありません。
合同会社のスピード感:定款ができれば即・法務局へGO
対して、合同会社は「自分の作業スピード=設立スピード」です。
誰のアポを取る必要もありません。誰のチェックを待つ必要もありません。
朝9時に起きて、「よし、会社を作ろう」と思い立ち、昼までに定款を作成して電子署名を付与すれば、午後の法務局の窓口に申請書類を叩きつけることができます。これが「最短即日設立」の正体です。
このスピード感は、ビジネスにおいて強力な武器になります。
「急に大きな契約が決まったが、法人契約が条件だと言われた」
「許認可の申請締め切りが来週に迫っている」
こうした緊急事態において、公証役場という不確定要素を排除できる合同会社は、最強のリスクヘッジ手段となります。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証 | 必須(要予約) | 不要(スルー) |
| 所要日数 | 平均1〜2週間 | 最短1日〜3日 |
| こんな人に最適 | 時間に余裕があり、信用重視の人 | とにかく急ぎで法人格が欲しい人 |
それでも「株式会社」を選ぶべきケースとは?
ここまで読むと、「費用も高い、時間もかかる。株式会社を選ぶメリットなんて何もないじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、現実には日本で新しく設立される会社の約7割〜8割はいまだに「株式会社」です。起業家たちはバカではありません。彼らは、5万円と1週間というコストを払ってでも、「株式会社」という看板を買っているのです。
なぜか? それは「信用」をお金で買っているからです。
[画像指示: 重厚なオフィスの看板に「株式会社〇〇」と書かれ、多くの人が信頼の眼差しで見ている様子 (推奨ファイル名: kk-brand-trust.jpg, alt: 株式会社の社会的信用)]💡 3秒でわかるまとめ
- 「代表取締役」の肩書はやはり強い。
- 求人募集で「合同会社」だと応募が減るリスクも。
- 将来の増資(投資家からの資金調達)には必須。
「面倒な手続き」を経ているからこそ得られる「信用」
株式会社が選ばれる最大の理由は、「ちゃんとしている感」の演出です。
世の中には、合同会社の仕組みをよく知らない人がまだ大勢います。特に地方の年配のオーナーや、保守的な業界においては、「合同会社? なんだそれは。ちゃんとした会社なのか?」と色眼鏡で見られるリスクがゼロではありません。
また、「定款認証が必要=公的機関のチェックを受けている」という事実は、裏を返せば「怪しい会社ではないことの証明」でもあります。
この5万円の手数料は、単なる事務コストではなく、取引先に対する「私はちゃんとした手順を踏んでビジネスを始めますよ」という所信表明の広告宣伝費だと捉えてください。
名刺を出した瞬間、「代表取締役社長」と名乗れるプライド。これに5万円の価値を感じるなら、迷わず株式会社を選ぶべきです。
採用や資金調達(出資)を狙うなら、認証コストは「必要経費」
もしあなたが、将来的に従業員を雇ったり、ベンチャーキャピタルから出資を受けたりする計画があるなら、選択の余地はありません。株式会社一択です。
求人市場において、「株式会社〇〇」と「合同会社〇〇」では、残念ながら応募者の反応率に差が出ることがあります。求職者、あるいはその親御さんが安心するのは、やはり聞き馴染みのある株式会社です。
さらに、資金調達の面でも、合同会社は株式を発行できないため、投資家からの出資を受けることが構造的に困難です。「将来的に大きくして上場(IPO)やM&Aを目指す」という野望があるなら、今の5万円と1週間をケチってはいけません。それは必要な初期投資です。
あなたが得られる未来:迷う時間が一番の損失だ
株式会社か、合同会社か。
どちらを選んでも、ビジネスの本質的な成否には関係ありません。AppleやGoogleの日本法人が合同会社であるように、合同会社でも大成功することは可能ですし、株式会社でも潰れるときは潰れます。
最も避けるべきは、「どっちがお得かな…」と悩み続けて、手を動かさないことです。
コスト最優先なら合同会社。信用最優先なら株式会社。
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