【結論】建設業の会社設立とは?
建設業の会社設立とは、単なる法務局への登記手続きではなく、将来の「建設業許可」取得を見据えた戦略的な土台作りです。
資本金500万円の設定や適切な事業目的の記載など、最初の設計を誤ると、後から数十万円の修正コストや許可落ちのリスクを招く「経営の最重要フェーズ」です。

行政書士歴20年・5000社以上の支援実績を持つ、行政書士の小野馨です。
今回は「建設業の会社設立と独立開業」について、経営者が知っておくべき急所をお話しします。
「インボイス制度も始まったし、元請けから『そろそろ法人化しないか?』と言われた…」
「でも、社会保険料は高くなると聞くし、本当に今やるべきなのか?」
今、私の事務所には、このような悩みを持つ親方からの相談が急増しています。
断言します。
建設業における会社設立は、飲食店やIT企業のそれとは「次元」が違います。
注意ポイント
なぜなら、設立のやり方ひとつで、将来あなたを守る最強の武器である「建設業許可(500万円以上の工事を請け負う権利)」が、取れなくなる可能性があるからです。
ネット上の適当な雛形で定款を作り、とりあえず安く登記してしまう。これが一番危険です。
いざ大きな現場が入ってきて「許可を取りたい」と思った時に、資本金不足や目的の記載不備が発覚し、目の前の利益を逃す経営者を私は何人も見てきました。
この記事では、細かい書類の書き方はあえて省きます。
その代わり、あなたが一国一城の主として失敗しないための「損をしない経営判断(金・時期・リスク)」に絞って、プロの視点から徹底解説します。
紙の定款で認証を受けると、印紙税4万円をドブに捨てることになります。しかしそれ以上に恐ろしいのは、「資本金や事業目的の記載ミス」により、建設業許可が取れず、後から**登録免許税(増資・変更)で数万円〜数十万円を無駄にするリスク**です。
この記事でわかる4つのポイント
- ✅ 元請け対策とインボイス(法人化の損益分岐点)
- ✅ 建設業許可を取るための「資本金500万円」の壁
- ✅ 手取りは減る?増える? 社会保険と建設国保の真実
- ✅ 一文字でアウト! 定款「事業目的」の正解
建設業の独立・法人化市場と「勝てるタイミング」
「いつか法人化したい」と考えていても、そのタイミングを誤ると、税制メリットを受けられないばかりか、元請け業者からの取引停止という最悪の事態を招きかねません。
建設業界において、法人化は単なる「節税」ではなく、「生き残り戦略」そのものです。
インボイス制度と元請けの圧力(法人化の引き金)
現在、一人親方や個人事業主が法人化を急ぐ最大の要因は、間違いなく「インボイス制度」と「コンプライアンス(法令順守)の強化」です。
大手ゼネコンや地場の中堅建設会社は今、国土交通省の指導により、下請け業者の社会保険加入状況や労務管理を厳格にチェックしています。
注意ポイント
「グリーンサイト」や「CCUS(建設キャリアアップシステム)」への登録が現場入場の必須条件となりつつある中、「社会保険未加入の個人事業主」は、リスク要因として現場から排除される傾向にあります。
実際、私の事務所への相談でも、「元請けから『次の更新までに法人化して社会保険に入らないと、仕事を出せない』と言われた」というケースが後を絶ちません。
これは脅しではなく、元請け自身が国から厳しい指導を受けているためです。
また、法人化すれば「設立1期目・2期目の消費税免税メリット(※資本金1,000万円未満の場合)」を活用できる可能性があります。
インボイス登録事業者となる場合でも、簡易課税制度や2割特例などの選択肢を法人として再設定できるため、税務戦略の幅が広がります。
個人事業のままでいい人、法人化すべき人の境界線
では、すべての事業者が法人化すべきかというと、そうではありません。以下の基準で冷静に判断してください。
【個人事業のままでいい人】
- 年間の売上高(課税売上)が1,000万円以下で、今後も拡大する予定がない。
- 元請けからの法人化要請がなく、現在の取引関係が安定している。
- 家族だけで細々とやっており、従業員を雇う予定がない。
- 500万円以上の大きな工事(建設業許可が必要な案件)を請けるつもりがない。
【今すぐ法人化すべき人】
- 売上が1,000万円を超えている(消費税の課税事業者になる)。
- 所得(利益)が800万円〜900万円を超えている(所得税率が法人税率を上回るライン)。
- 元請けから社会保険加入を求められている。
- 将来的に公共工事への入札や、銀行融資による設備投資(トラック・重機購入)を考えている。
特に建設業の場合、「建設業許可」を取得したいなら、法人化のタイミングで取ってしまうのがベストです。
個人で許可を取ってから法人成りすると、「許可換え新規」という手続きで再度許可を取り直す必要があり、印紙代や手数料が二重にかかるからです。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「とりあえず個人で許可を取って、軌道に乗ったら法人化」の罠
先日相談に来られた内装業のAさんは、個人事業で建設業許可を取得し、その1年後に法人化を決断されました。
しかし、法人化に伴い個人の許可は廃業届を出し、新しい法人で再度ゼロから許可申請を行うことに。
結果、「許可がない空白期間」が約2ヶ月発生し、その間に舞い込んだ大型案件(1,000万円規模)を受注できず、みすみす逃してしまいました。
最初から法人で許可を取っていれば防げた損失です。

【最重要】資本金は「500万円」が絶対防衛ライン
会社法上、株式会社や合同会社は「資本金1円」から設立可能です。
しかし、あなたが将来少しでも「建設業許可」の取得を考えているなら、資本金1円での設立は「自殺行為」と言っても過言ではありません。
なぜなら、建設業許可の要件には、厳格な「財産的基礎」が求められるからです。
設立時にここを設計し忘れると、後から増資の手続きで数十万円の無駄金を使うことになります。
なぜ「500万円」なのか? 建設業許可の「財産的基礎」
一般建設業許可を取得するための要件の一つに、以下のいずれかを満たす「財産的基礎」があります。
- 自己資本(純資産)の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金調達能力があること(残高証明書等で証明)
新規設立の会社にとって、最も確実でシンプルな方法は、①の「資本金を最初から500万円以上にしておくこと」です。
もし資本金100万円で会社を作り、直後に許可申請をしようとすると、銀行預金に500万円以上の残高があることを証明する「残高証明書」が必要になります。
創業直後で設備投資などにお金を使っていると、この500万円をキープできず、許可申請がストップするケースが非常に多いのです。
最初から定款で「資本金500万円」と定めて登記しておけば、この要件は無条件でクリアできます(※新設法人の特例)。
これが「守りの法務」の鉄則です。
500万円用意できない場合の対処法(創業融資の活用)
「手元に現金が300万円しかない。あと200万円足りない…」
このような場合、親族から一時的に借りて見せ金にするのは法的にNGですが、「日本政策金融公庫」などの創業融資を活用して資金調達能力を高める方法は有効です。
ただし、融資を受けた現金をそのまま資本金として登記することは原則できません(資本金はあくまで「返済義務のない自己資金」である必要があるため)。
戦略としては、自己資金300万円で設立し、設立直後に融資を受けて口座残高を500万円以上にして、「②資金調達能力」で許可要件をクリアするというルートがあります。
※創業融資の審査を通すための事業計画書の書き方や、面談のポイントについては、資金調達の専門的なノウハウが必要になります。
現物出資(トラック・重機)で資本金を作る裏技
現金が足りない場合の強力な奥の手が「現物出資」です。
これは、現金だけでなく、個人事業時代に使っていた「トラック」「ダンプ」「重機」「パソコン」「有価証券」などの資産を会社に譲渡し、その価値を資本金として組み込む方法です。
参考
例えば、「現金300万円」+「トラック(時価200万円相当)」を合わせれば、資本金500万円の会社として設立できます。これにより、手元のキャッシュを温存しながら、許可要件である500万円の壁を突破できます。
【注意点】
現物出資を行うには、定款に「何を、いくらで、誰が出資するか」を詳細に記載する必要があります。
この記載を間違えると、法務局で却下されたり、裁判所の検査役の調査が必要になったりと、手続きが複雑化します。
この「定款への現物出資の記載」こそ、電子定款作成のプロである行政書士の腕の見せ所です。
なお、許可取得のための「残高証明書の有効期限」や「500万円の細かい要件」については、私が運営する以下の専門サイトで詳しく解説しています。
許可申請を控えている方は必ず確認してください。
外部サイト「建設業許可の教科書|財産的基礎(500万円)」 >
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「見せ金」は絶対にバレます
「一時的に誰かから借りて通帳に入れ、コピーを取ったらすぐ返す」。
これは「見せ金」と呼ばれる違法行為であり、会社法上の「公正証書原本不実記載等罪」に問われるリスクがあります。
また、建設業許可の審査でも、不自然な入出金記録は厳しくチェックされます。
小手先のテクニックではなく、現物出資や正規の融資で「正々堂々と」要件を満たすことが、長く続く会社の条件です。

建設国保はどうなる? 法人化の「コストと手取り」
建設業の経営者が法人化を躊躇する一番の理由は、「社会保険料の負担」です。
個人事業なら国民年金と国民健康保険(または建設国保)だけで済みましたが、法人化すると原則として「社会保険(健康保険+厚生年金)」への強制加入が義務付けられます。
結論から言えば、「目先の手取りは確実に減りますが、将来の年金額と会社としての信用は買えます」。
このトレードオフをどう捉えるかが経営者の分かれ道です。
強制加入となる社会保険(厚生年金)の負担額シミュレーション
法人化すると、社長1人の会社であっても社会保険への加入が必要です。
保険料は会社と個人で折半(半分ずつ負担)しますが、実質的には会社の財布から全額が出ていくことになります。
【概算シミュレーション(役員報酬 月30万円の場合)】
- 健康保険料: 約30,000円(会社・個人合計)
- 厚生年金保険料: 約55,000円(会社・個人合計)
- 合計負担額: 月額 約8.5万円 / 年額 約100万円
※数値は概算であり、協会けんぽの料率(都道府県)や年齢(40歳以上は介護保険あり)により変動します。
「年間100万円も消えるのか…」と絶望するかもしれません。
しかし、これは「掛け捨て」ではありません。厚生年金に加入することで、将来受け取れる年金額は国民年金のみの場合と比べて大幅に増えます。
また、何より「社会保険加入」がなければ、今後は大手ゼネコンの現場に入場することすらできなくなる(=売上がゼロになる)という現実も直視する必要があります。
建設国保は継続できる? 設立時にやるべき手続き
ここで、建設業特有の「ウルトラC」の選択肢があります。
それは、「健康保険は『建設国保』を継続し、年金だけ『厚生年金』に加入する」というハイブリッドな方法です。
通常、法人化すると「協会けんぽ(健康保険)」に入らなければなりませんが、一定の要件を満たし、年金事務所で「健康保険被保険者適用除外承認申請」という特殊な手続きを行えば、保険料が定額で安い「建設国保」を法人でも維持できる場合があります。
【建設国保継続のメリット】
- 保険料が定額: 役員報酬が高くなっても、建設国保の保険料は上がらない(協会けんぽは報酬比例で高くなる)。
- 手取りの確保: 高所得の親方ほど、協会けんぽより年間数十万円の節約になるケースがある。
ただし、これには「法人化前に個人事業主として建設国保に加入していること」や「法人設立後14日以内の届出」など、極めてシビアなタイムリミットと条件が存在します。
この手続きをミスすると、強制的に協会けんぽ行きとなり、コスト削減のチャンスを永久に失います。
適用除外の詳しい手続きや条件については、以下の専門記事で徹底解説していますので、設立登記を出す前に必ずチェックしてください。
【保存版】建設国保を法人で継続する「適用除外」の手続き手順 >
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「14日」を過ぎて泣いた社長の話
建設国保の継続(適用除外)は、登記完了からではなく「設立日」や「従業員雇用時」からの期限が非常に短く設定されています。
「登記が終わってからゆっくり考えよう」と思っていたB社長は、気づいた時には期限(14日)を過ぎており、年金事務所で門前払い。
泣く泣く保険料の高い協会けんぽに加入することになりました。会社設立はスピード勝負です。
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推奨画像: 電卓を叩いて頭を抱える経営者と、その横で「建設国保+厚生年金」のルートを示す青い矢印。
生成用プロンプト: Comparison chart illustration. Left side shows 'High Cost' with piles of bills. Right side shows 'Smart Choice' with Construction National Health Insurance icon and Pension icon combined. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.
Alt属性: 建設業 法人化 社会保険料 建設国保 継続
[警告] 定款の「事業目的」で許可が落ちる悲劇
会社を作る際、定款の第2条あたりに記載する「事業目的」。多くの人が「将来やりそうなことを適当に書いておけばいい」と軽く考えています。
しかし、建設業においてはこの認識が命取りになります。
なぜなら、建設業許可の申請時には、「定款の事業目的」と「申請する業種」が一致しているかを厳しくチェックされるからです。ここに不備があると、窓口で受理されず、最悪の場合、法務局で「目的変更登記(登録免許税3万円+司法書士報酬)」をやり直すまで許可が下りないという泥沼に陥ります。
一文字の違いが命取り!「とび・土工」等の具体的記載
「事業目的には『建設業』とだけ書いておけば、全ての工事が含まれる」。
これは素人の危険な思い込みです。
管轄の都道府県(土木事務所や建設業課)によっては、単に「建設業」や「土木建築工事の請負」と書いただけでは認められず、「許可を取りたい具体的な業種名」の記載を求められるケースが多々あります。
例えば、内装工事の許可を取りたいなら「内装仕上工事業」、解体をやるなら「解体工事業」と明記するのが鉄則です。特に建設業許可は29業種に分かれており、役所の担当者は「この会社は具体的に何の工事をやる能力があるのか?」を定款から読み取ろうとします。
【推奨される記載例(ハイブリッド型)】
- 土木建築工事の請負、設計、施工、監理(包括的な記載)
- 内装仕上工事業、塗装工事業、防水工事業(具体的な29業種の記載)
このように、「包括的な表現」と「具体的な業種名」をセットで記載しておくことが、最も許可が下りやすく、かつ将来の事業拡大にも対応できる「行政書士の黄金比」です。
将来の事業拡大(産廃・建築一式)も見据えた目的設定
会社設立のコストを抑えるコツは、「将来やるかもしれない事業」も最初から定款に入れておくことです。
建設業を行う会社が、将来的に高確率でクロスオーバーする事業があります。これらを最初に入れ忘れると、いざ始めようとした時に毎回3万円(登録免許税)を払って定款を書き換える羽目になります。
【建設業と相性の良い「追加しておくべき」目的】
- 産業廃棄物収集運搬業:解体やリフォームで出たゴミを自分で運ぶために必須。これがないと産廃許可が下りません。
- 宅地建物取引業(不動産業):自社で土地を仕入れて家を建てる(建売)なら必須。「建築」だけでなく「不動産の売買、仲介」等の文言が必要です。
- 古物商(中古品の売買):現場で出た金属スクラップを売ったり、中古の建設機械を転売したりする場合に必要です。
「今はやらないから」といって削るのではなく、これらをセットにしておくのが「強い定款」の作り方です。私の事務所で作成する電子定款では、これら建設業セットを標準装備しています。
【コピペOK】建設業許可に完全対応した「最強の事業目的」雛形集 >
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「何でも屋」に見られるリスク
逆に、目的が多すぎて「FX取引」「飲食店の経営」「アパレル販売」など、建設業と無関係なものが大量に入っていると、許可審査で「この会社、建設業を真面目にやる気があるのか(経営業務の管理責任者が常勤できるのか)?」と疑われる原因になります。
事業目的は多ければ良いわけではありません。あくまで「本業+関連事業」に絞り、スマートな定款に仕上げることが、銀行や役所からの信用を高めるコツです。
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推奨画像: 定款の書類のアップ。「事業目的」の欄に赤ペンでチェックが入っているイメージ。
生成用プロンプト: Close-up of a legal document 'Articles of Incorporation'. A red pen is checking the 'Business Purpose' section. Concept of legal check. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.
Alt属性: 会社設立 定款 事業目的 建設業 書き方
会社設立から許可取得までの「最短ロードマップ」
建設業で独立する場合、最も注意すべきなのは「お金」ではなく「タイムラグ(空白期間)」です。
会社設立(登記)が完了しても、すぐに建設業許可が下りるわけではありません。許可申請には行政庁による厳格な審査期間(標準処理期間)があり、その間はまだ「無許可業者」です。このスケジュールを見誤ると、契約していた工事に着手できず、元請けに多大な迷惑をかけることになります。
定款認証から登記完了までの期間(約2週間)
まずは、会社という「器」を作るフェーズです。必要書類が全て揃ってから、会社が法的に成立するまでの標準的な期間は「約2週間」です。
【行政書士に依頼した場合(電子定款)の最短スケジュール】
- 1日目〜3日目: ヒアリング、定款案の作成、会社実印の作成
- 4日目〜5日目: 公証役場での定款認証(※合同会社は不要)
- 6日目: 資本金の払込み(個人の通帳へ入金)
- 7日目: 法務局へ設立登記申請(※この日が「会社設立日」になります)
- 約1週間後: 登記完了(履歴事項全部証明書が取得可能になる)
自分で手続き(DIY)を行う場合、定款の修正や法務局からの補正指示(出し直し)で、ここから更に1〜2週間遅れるのが通例です。電子定款を利用し、一発で登記を通すことが、許可取得への最短ルートです。
許可申請のタイミング(登記簿ができてからが本番)
ここからが本番です。建設業許可の申請は、会社の「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」が手に入って初めてスタートラインに立てます。
【許可取得までの「魔の空白期間」】
- 書類収集・作成(約2週間〜1ヶ月):登記簿取得後、納税証明書や身分証明書を集め、複雑な申請書を作成します。
- 役所の審査期間(知事許可で約30日〜45日):申請書が受理されてから、役所内部で審査が行われます。この期間は短縮できません。
つまり、会社設立の準備を始めてから、実際に許可証を手にするまでには、トータルで「2ヶ月〜3ヶ月」かかると見積もるのが経営者としての正しいリスク管理です。
「来月の現場になんとか間に合わせたい!」という場合は、会社設立の手続きと並行して、許可申請の準備(実務経験の証明書類集めなど)を裏で進めておく必要があります。
具体的な許可申請の流れや、審査期間を短縮するための事前準備については、許可専門の下記サイトで詳細なロードマップを公開しています。
【図解】建設業許可が下りるまでの全手順と「審査期間」のリアル >
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「見切り発車」の代償
「許可なんてすぐ取れるだろう」と高を括り、許可通知書が届く前に500万円以上の工事契約を結んでしまったC社。しかし、審査が長引き、着工日になっても許可が下りませんでした。
結果、コンプライアンスに厳しい元請けから契約解除を言い渡され、数百万の売上が消滅。さらに「工程を狂わせた」として信用も失墜しました。許可取得のスケジュールは、必ず「1ヶ月のバッファ(余裕)」を持って組んでください。
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推奨画像: カレンダー(スケジュール表)のイラスト。「会社設立」から「許可取得」までの矢印が伸びており、その間に「審査期間(約1.5ヶ月)」というブロックがある。
生成用プロンプト: Timeline infographic showing 'Company Incorporation' to 'Permit Acquisition'. Highlight a specific block labeled 'Review Period 45 Days'. Concept of waiting time. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.
Alt属性: 建設業許可 審査期間 スケジュール 会社設立
自宅兼事務所で設立する場合の注意点
会社設立において、本店所在地を「自宅」にするケースは非常に多いです。AmazonやIT企業ならそれで全く問題ありません。
しかし、建設業の場合は話が別です。
法務局での「会社設立登記」は自宅でも簡単に通りますが、その後の建設業許可の審査で「営業所として認められない」と判断され、許可が下りないケースが多発しています。登記してから引っ越し(本店移転登記)となれば、それだけで登録免許税3万円の無駄遣いです。
賃貸物件と「使用承諾書」の壁
もしあなたが住んでいる自宅が「賃貸マンション」や「アパート」の場合、最大のハードルは大家さん(または管理会社)です。
建設業許可の申請では、営業所の権利関係を証明するために、賃貸借契約書の提示を求められます。契約書の目的が「住居専用」となっている場合、原則として営業所としては認められません。
これを突破するには、大家さんから「この部屋を建設業の営業所として使ってもいいですよ」という『使用承諾書』にハンコをもらう必要があります。しかし、人の出入りや騒音を嫌う大家さんは、これを拒否することが多いのが現実です。
「黙って登記すればバレない」は通用しません。許可申請時には、営業所の写真(看板、入り口、執務スペース)の提出が必須であり、役所の実地調査が入ることもあります。
バーチャルオフィスが建設業でNGな理由
最近流行りの「バーチャルオフィス(住所貸し)」や「シェアオフィスのフリーデスク」も、建設業許可では原則としてNG(不許可)です。
建設業法における営業所とは、単に郵便物が届く場所ではなく、以下の実態が求められます。
- 契約締結権限のある責任者(経営者)が常勤していること。
- 見積もりや契約業務を行うための固定電話、机、パソコン、書庫等の設備があること。
- 空間が明確に独立しており、他社の人間が自由に入れないこと。
つまり、物理的な実体のないバーチャルオフィスでは、建設業の「請負契約の実務」が行えないと判断されるのです。
これから物件を探す、あるいは自宅で許可が取れるか不安な方は、契約を結ぶ前に必ず許可要件を確認してください。写真撮影のポイントや、間取りの要件については、以下の専門サイトで詳しく解説しています。
【写真付】自宅で建設業許可は取れる? 営業所の「要件」完全ガイド >
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
UR団地・公営住宅の悲劇
特に注意が必要なのが、UR(都市機構)や県営・市営住宅です。これらの公的な住宅は、規約で「営業利用」が厳格に禁止されているケースがほとんどです。
私の知る限り、公営住宅を本店にして建設業許可が下りた事例はほぼありません。この場合、許可を取るためには「別に事務所を借りる」しか選択肢がなくなり、毎月の固定費が重くのしかかることになります。設立時の場所選びは慎重に。
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推奨画像: 営業所のNG例とOK例の比較。NGはバーチャルオフィスや散らかったリビング。OKは固定電話と机があり、許可票が飾れるスペース。
生成用プロンプト: Comparison illustration of office types. Left: 'Virtual Office' with only a mailbox (Cross mark). Right: 'Real Office' with desk, phone, and filing cabinet (Check mark). Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.
Alt属性: 建設業許可 営業所 自宅 賃貸 要件
[比較表] 自分で設立 vs 行政書士に依頼
最後に、会社設立を「自分で行う(DIY)」場合と、「行政書士(電子定款)に依頼する」場合の費用と労力をシビアに比較します。
多くの人が「自分でやれば無料(実費のみ)」と考えていますが、実は大きな落とし穴があります。それが「定款の印紙税(4万円)」です。
印紙代4万円免除とプロの手数料のバランス
紙で定款を作成して認証を受ける場合、収入印紙4万円を貼る義務があります。しかし、行政書士が専用機器で作成する「電子定款」であれば、この4万円は全額免除(0円)になります。
つまり、行政書士に報酬を支払ったとしても、その原資は「浮いた印紙代4万円」で大部分をカバーできるため、実質的な追加負担は皆さんが思うほど大きくありません。
| 項目 | 自分で設立(紙定款) | 当事務所(電子定款) |
|---|---|---|
| 定款印紙代 | 40,000円 | 0円(電子化で免除) |
| 公証人認証手数料 | 約52,000円 | 約52,000円 |
| 登録免許税 | 150,000円 | 150,000円 |
| 専門家報酬 | 0円 | 要見積もり (※印紙代浮き分で相殺効果あり) |
| 定款の品質 | 市販の雛形レベル (許可落ちリスク大) | 建設業許可対応プロ仕様 (法的完全保証) |
| あなたの手間 | 学習・作成に約30時間 公証役場・法務局へ平日2回出頭 | ヒアリングと押印のみ (本業に専念可能) |
許可取得まで見据えた「トータルコスト」の考え方
目先の数万円の違い以上に重要なのが、「将来の修正コスト」です。
ここまで解説してきた通り、建設業の会社設立には「資本金500万円の壁」「目的の記載」「役員の任期」など、無数の地雷が埋まっています。自分でやってこれらを踏み抜いた場合、後から修正するために以下のコストがかかります。
- 目的変更登記: 登録免許税3万円 + 司法書士報酬
- 増資登記: 登録免許税3万円〜 + 司法書士報酬
- 許可申請のやり直し: 数ヶ月の期間ロス(=売上機会の損失)
これらを合計すれば、軽く10万円以上の損失になります。「安く済ませよう」としてDIYを選んだ結果、かえって高くつく。これが建設業の会社設立で最も多い失敗パターンです。
最初から建設業専門の行政書士に依頼することは、単なる代行ではなく、「将来の法的トラブルと無駄な出費を回避するための保険」なのです。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「任期10年」の落とし穴
最近の雛形定款では、役員の任期を最長の「10年」に設定するのが流行りです(重任登記のコスト削減のため)。しかし、建設業許可においては、許可更新(5年ごと)のタイミングで役員の重任登記が正しく行われているかがチェックされます。
10年という長い期間は、役員の変更や辞任を忘れさせ、気づけば「選任懈怠(法律違反)」で過料を請求されるリスクを高めます。プロはあえて適切な任期を提案し、会社の規律を守ります。
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推奨画像: 氷山のイラスト。水面上に「設立費用の安さ」が見えているが、水面下には巨大な「修正費用」「機会損失」「法的リスク」が隠れている。
生成用プロンプト: Iceberg concept illustration. Tip of iceberg labeled 'Initial DIY Cost'. Huge underwater part labeled 'Hidden Risks & Future Fix Costs'. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme.
Alt属性: 会社設立 費用 比較 自分で 行政書士
⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」
「自分でやれば無料」は間違いです。定款の不備による再申請の手間、将来的な修正費用(3万円〜)、そして何より「本業に集中できない時間的損失」は計り知れません。特に建設業許可を目指すなら、最初のボタンの掛け違いは致命傷になります。
【毎月3名様限定】会社設立費用を4万円安くしませんか?
いきなり契約する必要はありません。
まずはあなたの定款案(事業目的や資本金)に、建設業許可取得上の法的リスクがないか、無料の『定款診断』を受けてみませんか?
建設業専門の行政書士としての「法的調査」と、電子定款認証の実績に基づき、確実にコストダウンできるか、そして将来許可が取れるか正直にお伝えします。
※賢い起業家への第一歩。
※この記事を見たとお伝え頂ければスムーズです。
会社設立や電子定款認証のスペシャリスト!開業17年・年間実績500件以上。実は、電子定款の制度ができた10年以上前から電子定款認証の業務を行なっているパイオニアです!他との違いは、まず定款の完成度!内容はモデル定款のモデルと言われ全国数百箇所の公証人の目が入っている優れもの!そして電子署名はまるでサインのようなかっこいい電子署名です!その電子定款であなたの大切な会社設立を真心込めて応援します!
