会社設立・起業開業 許認可・営業権

運送会社の作り方!一般貨物(緑ナンバー)で独立するための資金と5人の壁

【結論】運送会社の設立(一般貨物)とは?
一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の会社設立とは、単なる法人登記ではありません。「トラック5台」「ドライバー5人」「運行管理者」を確保し、かつ数ヶ月分の運転資金(約1,000万円〜)を持っていることを証明する巨大な組織構築プロジェクトです。

行政書士 小野馨
こんにちは!
運送業・建設業許可に特化して実績5,000件超。
行政書士の小野馨です。

「トラック1台から始められますか?」
この質問をよく頂きますが、緑ナンバーの世界では「NO」です。
今回は、物流のプロとして独立するための「資金」と「覚悟」について、包み隠さず解説します。

EC市場の拡大や「物流2024年問題」により、運送会社の需要は高まり続けています。
しかし、一般貨物の許可取得は、建設業や産廃業と比べても「ハードルが段違いに高い」のが現実です。

最大の壁は「資金(Cash)」「場所(Garage)」です。
多くの起業家が、会社を作った後に「ここの土地では許可が出ない」「資金が足りず申請が受理されない」という事態に陥っています。

この記事では、行政書士としての実務経験に基づき、最短・最速で緑ナンバーを取得するための「失敗しない会社設立ロードマップ」を公開します。

【電子定款で4万円を削減】
運送業の開業資金は莫大です。だからこそ、削れるコストは削ってください。当事務所の電子定款なら、紙の定款でかかる印紙税4万円が0円になります。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 「軽貨物」と「一般貨物」の決定的な収益・要件の差
  • ✅ 資本金はどうする?許可要件「所要資金」の計算式
  • ✅ 物件契約前に確認必須!「車庫」と「幅員証明」
  • ✅ 役員法令試験に落ちると許可が下りない事実

運送業で独立!「一般貨物」と「軽貨物」の決定的な違い

運送業で起業する場合、大きく分けて2つの道があります。
「一般貨物(緑ナンバー)」と「軽貨物(黒ナンバー)」です。この2つは、法的な要件もビジネスモデルも全く別物です。

トラック1台では許可が取れない「5台・5人の壁」

一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の最大の特徴は、「最低車両台数が5台」であることです。

「最初は自分が運転する1台からスタートしたい」
これは一般貨物では認められません。許可申請の時点で、営業所ごとに配置する車両が5台以上あり、それを運転するドライバー(運転者)も5人以上確保されている必要があります。

さらに、ドライバー以外に「運行管理者」「整備管理者」という国家資格者(または実務経験者)を配置する義務もあります。
つまり、社長一人で起業することは物理的に不可能なのです。

💡 行政書士の現場メモ

「1人でも開業したい」という方は、軽自動車(軽バン)を使用する「貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)」一択です。こちらは届出だけで即日開業可能ですが、運べる荷物の量や単価に限界があります。大きく稼ぐなら、やはり緑ナンバーを目指すべきです。

社会的信用と単価が違う「緑ナンバー」のメリット

これほどハードルが高いにもかかわらず、なぜ多くの事業者が一般貨物の許可を目指すのでしょうか。
それは「社会的信用」「扱える仕事の幅」が圧倒的に違うからです。

  • 大手荷主との直取引:
    コンプライアンス重視の大手メーカーや物流企業は、黒ナンバーや白ナンバー(無許可)の業者には仕事を出しません。緑ナンバーは「国(国土交通省)の厳しい審査を通った証」であり、取引口座を開くためのパスポートです。
  • Gマークや補助金:
    許可取得後、適正化事業実施機関の評価(Gマーク)を得ることで、助成金の活用や高速道路料金の割引など、経営上のメリットを享受できます。

【資金計画】資本金100万円で運送会社は作れるか?

会社法上、株式会社は資本金1円で作れます。
しかし、運送会社(一般貨物)を作る場合、資本金100万円程度では99%許可が取れません。

許可要件「所要資金」のシビアな現実

一般貨物の許可申請では、事業開始に必要な資金(所要資金)の100%以上を、銀行預金として持っていることを証明しなければなりません(残高証明書)。

この「所要資金」には、以下のものが含まれます。

  • 人件費:役員・ドライバー等の給料(数ヶ月分)
  • 車両費:トラック5台分の購入費またはリース料・レンタル料(一括払いまたは数ヶ月〜1年分)
  • 施設費:営業所・車庫・休憩室の家賃(6ヶ月〜1年分)
  • その他:燃料費、保険料、税金など(数ヶ月分)

これらを積み上げると、どんなに安く見積もっても「1,000万円〜2,000万円」になります。
申請時と、許可が下りる直前の計2回、この金額が入った残高証明書の提出が求められます。「一瞬だけ借りてすぐ返す(見せ金)」は通用しません。

会社設立時の「資本金設定」と創業融資の組み方

では、手元に2,000万円の現金がない場合はどうすればいいのでしょうか。
ここで重要になるのが「資本金」「融資」のバランスです。

日本政策金融公庫などの創業融資を受ける場合、自己資金(資本金)の額が審査の鍵を握ります。
例えば、1,000万円の融資を引きたいなら、最低でも300万円〜500万円程度の自己資金(資本金)が必要です。

【結論】
運送会社の設立における資本金は、最低でも「300万円〜500万円」、理想は「1,000万円」で設定してください。
ここが少なすぎると、融資も引けず、許可要件の所要資金も満たせず、会社を作っただけで何もできない「箱」になってしまいます。

失敗しない運送会社の設立ロードマップ

運送業の開業準備は、順序を間違えると「詰み」ます。
特に多い失敗が、先に会社を作ってしまい、後から見つけた車庫が「許可が出ない土地」だったパターンです。

物件(車庫)選びが全ての始まり。契約前の「幅員証明」

運送会社を作る際、定款の「本店所在地」を決める前に、必ず「営業所と車庫の候補地」を選定し、行政書士に調査を依頼してください。

運送業の車庫には、以下の厳しい要件があります。

  • 前面道路の幅員:
    車庫の前の道幅が、車両制限令の基準(原則6.0m以上など、トラックのサイズによる)を満たしていること。
    役所で「幅員証明書」を取得して確認します。道が狭いと許可は絶対に下りません。
  • 用途地域(都市計画法):
    営業所は「市街化調整区域」には原則設置できません(※既存宅地など例外あり)。農地法の許可が必要な場合もあります。

「契約してから相談」では手遅れです。「契約前に調査」が鉄則です。

定款作成・会社設立から許可申請までのタイムライン

スムーズな許可取得のための理想的なスケジュールは以下の通りです。

  1. 物件候補の選定・調査(起業6ヶ月前)
    幅員や法規制をクリアできるか確認。
  2. 資金調達・会社設立(起業5ヶ月前)
    資本金を決定し、定款認証・登記。
  3. 許可申請(起業4ヶ月前)
    運輸支局へ申請書を提出。審査期間は標準で3〜5ヶ月。
  4. 役員法令試験の受験
    申請後の奇数月に実施。社長(常勤役員)が合格しないと審査が止まります。
  5. 許可取得・緑ナンバー取付(ゴール)
    登録免許税(12万円)を納付し、運行開始。

この間、ドライバー5人の確保や社会保険の手続きも並行して行います。
まさに「総力戦」です。

許可取得のハードルとなる「法令試験」と「社会保険」

最後に、多くの経営者が苦しむ「試験」と「保険」について警告します。

社長が落ちたら許可不可?「役員法令試験」の罠

許可申請後、法人の常勤役員(通常は社長)は、運輸支局が実施する「法令試験」に合格しなければなりません。
内容は運送業法、労働基準法など全般に及びます。

この試験は、「2回連続で不合格になると、申請自体が却下(取り下げ)」となります。
つまり、どれだけお金を用意しても、社長が勉強して合格しない限り、会社は永久に営業を開始できません。
会社設立と同時に、社長自身の受験勉強もスタートさせてください。

ドライバーの社会保険加入は「絶対条件」

かつては社会保険未加入の運送会社も存在しましたが、現在は審査が厳格化されています。
許可申請時、または許可取得後の運輸開始届の時点で、雇用するドライバー全員の「社会保険・労働保険」の加入証明が求められます。

「給料の手取りが減るから入りたくない」というドライバーもいますが、未加入では緑ナンバーをつけることができません。
法定福利費を含めた人件費コストを、事業計画にしっかりと組み込んでください。

▼ 運送業の「定款目的」は何て書く? ▼

一般貨物だけでなく「利用運送」や「倉庫業」も入れるべき?
許可申請で受理される正しい雛形はこちら。


【雛形】一般貨物・緑ナンバーの定款目的!利用運送との違いと記載例 >

⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」

運送業の許可申請は、土地・資金・人・車両のパズルが一つでも欠けると成立しません。特に「車庫選び」と「資本金設定」のミスは、会社を作り直すレベルの損害になります。必ず設立登記の前に専門家の診断を受けてください。

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