定款変更・定款紛失

定款紛失で融資ストップ!再作成で審査通過したA社様の話

定款紛失で融資白紙から定款の再作成で融資になった実例

行政書士 小野馨
こんにちは

電子定款実績5000件の行政書士の小野馨です。

今回は「定款紛失で一度融資を断られそうになった窮地から融資申請がうまくいった実例」をご紹介します

「来週の融資面談までに定款が必要なのに、どこを探しても見つからないんです…!」

当事務所には、このような悲鳴にも似たご相談が毎日のように寄せられます。特に建設業や運送業など、許認可と資金調達が密接に関わる業種の経営者様にとって、書類一枚の不備は死活問題ですよね。

今回は、実際に当事務所にご相談いただき、「定款の紛失」という絶体絶命のピンチから、わずか数日で定款を再作成(復元)し、無事に銀行融資が実行された建設会社A社様の事例をご紹介します。

もし今、同じような状況で焦っている方がいらっしゃれば、この記事を読んで「まだ解決策はあるんだ」と希望を持っていただきたいと思います。

【今回の事例:A社様のプロフィール】

  • 業種:建設業(内装仕上工事業)
  • 地域:兵庫県神戸市
  • 設立年数:15年目
  • 状況:事業拡大のため、銀行へ1,000万円の運転資金を融資申請中

トラブル発生:銀行担当者からの「待った」コール

A社様は、順調に業績を伸ばしており、銀行の融資審査自体はスムーズに進んでいました。しかし、本審査に入る直前、銀行の担当者から一本の電話が入ります。

「社長、提出していただいた定款ですが、これでは審査に進めません」

社長は慌てて手元の定款を確認しました。それは、会社を設立した15年前に作った「原始定款」のボロボロのコピーでした。何が問題だったのでしょうか?

【発覚した致命的な不備】
A社様は5年前に「本店の移転」をしていました。法務局の登記簿(履歴事項全部証明書)は書き換えていたものの、肝心の「定款の住所変更」を放置していたのです。
銀行側としては、「登記簿と定款の内容(住所)が一致していない。これでは会社の現状を証明する書類として認められない」という判断でした。

銀行からは「来週の月曜日までに、現状(移転後の住所)が反映された最新の定款(現行定款)を出してください。間に合わなければ今回の融資は白紙です」と通告されてしまったのです。

当事務所の診断:なぜ「再発行」ではダメだったのか

真っ青になった社長からお電話をいただいた際、私はまず状況を整理しました。

通常、定款を紛失した場合は「公証役場で再発行してもらう」という手が使えます。しかし、今回のケースではそれが悪手(やってはいけない手)でした。

なぜなら、公証役場に保存されているのはあくまで「設立当初(15年前)の定款」だからです。それを取り寄せたところで、記載されているのは「昔の住所」のまま。銀行が求めている「現在の住所が載っている定款」は、公的機関のどこを探しても存在しない状態だったのです。

解決策は「定款の再作成」一択

私は社長にこう提案しました。

「社長、探すのはもうやめましょう。ないものは作るしかありません。法的に有効な形で、今の会社の状態に合わせた定款を『再作成』しましょう」

「そんな勝手に作っていいんですか?」と驚かれる社長に、私は以下のスキームを説明しました。

  1. 現在の「登記簿謄本」をもとに、間違いないデータで定款案を作る。
  2. その定款を「株主総会」で決議し、会社の公式ルールとして制定し直す。
  3. 株主総会の「議事録」とセットにすることで、銀行に原本として提出できる。

これなら、公証役場を通さずに、最短即日で「現行定款」を用意できます。

※詳しい手順の解説はこちら
この「再作成」の具体的な法的根拠や手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
👉 定款紛失時の再発行・再作成手順!銀行や法務局への対応も解説

解決へのプロセス:最短1日でのスピード対応

善は急げです。ご依頼いただいたその日のうちに、当事務所で以下の作業を行いました。

1. 登記簿から「現行定款案」を作成

最新の履歴事項全部証明書を取得し、商号、目的、本店、役員構成などを一言一句間違わずに反映させた、新しい定款案(ドラフト)を作成しました。

2. 「みなし決議」で株主総会をクリア

実際に株主を集めて会議を開くと時間がかかります。そこで、会社法319条の「書面決議(みなし決議)」を活用しました。
社長(株主)が「この新しい定款に同意します」という書面にハンコを押すだけで、法的に株主総会を開催したのと同じ効力を持たせることができます。

3. 電子定款(PDF)で納品

作成した定款と議事録を製本するだけでなく、今後の紛失リスクをゼロにするため、PDF化して電子署名を付与し、クラウドでも管理できる状態で納品しました。

結果:翌日に銀行へ提出、融資実行へ

翌日、社長は再作成した「定款」と「株主総会議事録」を持って銀行へ向かわれました。

結果は……一発で受理。

銀行の担当者からも「議事録で変更の経緯が証明されているので、これで問題なく本審査に進めます」と回答があり、その数日後、無事に1,000万円の融資が実行されました。

【A社社長からのお言葉】
「『定款がない』と気づいた時は頭が真っ白になりましたが、先生に相談して本当によかった。ただ書類を作るだけでなく、『なぜこれが必要か』を銀行に説明できるように教えてくれたのも助かりました。電子データにしてもらったので、もう無くす心配もありません!」

まとめ:定款トラブルは「スピード」が命です

今回のA社様のように、「書類がない」という理由だけで、会社の成長チャンスである融資や許認可を諦めるのは本当にもったいないことです。

定款を紛失してしまっても、正しい知識と手続きがあれば、必ずリカバリーできます。

  • 古い定款しかなくて銀行に突き返された
  • 自分で作り直そうと思ったが、書き方がわからない
  • 融資の期限が迫っていて時間がない

このようなお悩みをお持ちの経営者様は、諦める前にぜひ一度ご相談ください。貴社の状況に合わせて、最短・最適解のルートをご案内いたします。

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