
こんにちは。行政書士の小野馨です。
定款変更手続きを1000件以上サポートしました。
今回は、定款変更の特別決議についてわかりやすく解説しますね。
会社を経営していると、商号を変えたり事業目的を広げたりと、定款を変更したいタイミングが必ず訪れます。
でも、いざ手続きをしようと調べ始めると、特別決議だの定足数だのと難しい言葉が並んでいて、頭を抱えてしまっていませんか。
その気持ち、よくわかります。
法律の手続きって、どうしても堅苦しくて複雑に見えますよね。でも大丈夫です。
基本のルールと流れさえ押さえてしまえば、定款変更は決して怖いものではありません。特に小規模な会社であれば、実態に合わせたスムーズな進め方もちゃんとあるんです。
この記事では、定款変更に欠かせない特別決議の仕組みから、登記完了までの実務的なステップを、専門用語をできるだけ噛み砕いてお伝えします。
一つずつクリアしていきましょう。
- 定款変更に必要な特別決議の具体的な要件と計算方法
- 取締役会を置かない会社ならではの柔軟な招集手続き
- 最短で完了させるための株主全員同意やみなし決議の活用法
- 変更登記の申請期限や必要書類と登録免許税のコスト
定款変更に必要な特別決議の要件と基礎
会社の憲法とも言える「定款」
これを書き換えるということは、会社の在り方そのものを変える非常に大きな決断です。
だからこそ、会社法では通常の業務決定よりも慎重な手続き、つまり「特別決議」を求めているんですね。
まずは、この特別決議が普通の決議とどう違うのか、具体的な数字を見ながら基礎を固めておきましょう。
特別決議の要件と定足数のルール
定款変更を行うには、株主総会での「特別決議」が原則として必要になります。
役員を選任するときなどの「普通決議」と混同されがちですが、定款変更のハードルはもっと高く設定されているんですよ。
これを間違えて普通決議で済ませてしまうと、後で「決議無効」なんてことになりかねないので注意が必要です。
具体的には、会社法309条2項によって、以下の2つの条件を同時にクリアしなければなりません。
特別決議の成立要件(会社法309条2項)
以下の両方を満たす必要があります。
① 定足数(ていそくすう):議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席すること(※定款で1/3まで緩和可能)
② 表決数(ひょうけつすう):出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成があること
少し計算してみましょう。
例えば、発行済株式総数が100株(議決権100個)ある会社だとします。
この場合、まずは「過半数」、つまり51個以上の議決権を持つ株主が会場(またはオンライン)に来ていないと、そもそも会議自体が開けません。これが定足数です。
そして、仮に80個分の議決権を持つ株主が出席したとします。
「過半数出席したからOK」ではありません。その80個のうち、3分の2以上、つまり54個以上の「賛成票」がないと、定款変更は可決されないんです。
普通決議が「出席者の過半数」で決まるのに対し、特別決議は「出席者の3分の2以上」という圧倒的多数の賛成が必要です。
これは、少数の反対株主の利益も保護しつつ、会社の根幹に関わる変更は慎重に行うべきだという法の趣旨があるからなんですね。
ちなみに、この「定足数」については、定款にあらかじめ定めておけば「3分の1以上」まで引き下げることが可能です。
株主が多数いる会社では、総会を成立させやすくするためにこの緩和規定を入れていることが多いですが、ご自身の会社の定款がどうなっているか、一度確認してみてくださいね。
(出典:e-Gov法令検索『会社法』)
取締役会非設置会社の招集方法と通知
中小企業の多くは「取締役会非設置会社」ですよね。
取締役会を置かない会社の場合、株主総会の招集手続きは、上場企業のような厳格なものではなく、もっとシンプルで柔軟な運用が認められています。
まず、誰が招集を決めるかですが、取締役会設置会社なら取締役会の決議が必要なのに対し、非設置会社では「取締役の過半数」の一致で決定できます。
例えば取締役が3人いれば、2人が「定款変更のために総会を開こう」と合意すればOKです。わざわざ形式ばった会議を開いて議事録を作って…という手間が省けるので、スピーディーに動けるのがメリットですね。
次に、株主への「招集通知」についても特例があります。
- 原則:会日の1週間前までに通知を発送すればOK(取締役会設置会社は2週間前)
- 定款の定め:定款で定めれば、さらに期間を短縮可能(例:3日前、5日前など)
さらに柔軟なのが、「議題の追加」についてです。取締役会設置会社では、事前に通知した議題(アジェンダ)以外のことは原則として決議できません。
しかし、取締役会非設置会社であれば、招集通知に記載していない事項でも、その場で急遽議題に挙げて審議・決議することが可能なのです。
「定款変更のついでに、役員の報酬についても話し合いたい」といった急な要望が出ても、その場の判断で柔軟に対応できる。この機動力の高さこそが、小規模な会社の強みであり、法律が認めている利点なんですよ。
少人数私会社の定款変更と株主同意
「うちは株主が社長の私一人だけです」とか「夫婦二人で株を持っています」という会社も多いですよね。
いわゆる同族会社や少人数私会社の場合、法律の建前通りにガチガチの手続きをする必要があるのか、疑問に思う方もいるでしょう。
結論から言うと、実態に即した簡便な運用で問題ありませんが、記録だけは厳格に残す必要があります。
例えば、株主があなた一人であれば、あなたが「定款を変える」と決めた時点で、当然ながら特別決議の要件(出席100%、賛成100%)を完全に満たします。
この場合、わざわざ自分宛てに招集通知を送ったり、貸会議室を予約して一人で座ったりする必要は実務上ありません。
自宅のリビングで「よし、変更しよう」と決めた瞬間が株主総会と言っても過言ではないのです。
注意ポイント
ただし、ここで絶対に守ってほしいのが、「手続きは省略しても、法的な事実は残す」ということです。
開催の事実は記録に残しましょう
いくら自分一人の会社でも、「いつ、どこで、何を決めたか」という法的な事実は重要です。後述する「株主総会議事録」の作成は、自分一人の決定であっても、登記申請の添付書類として必須になります。
「一人で決めたから議事録なんてないよ」では、法務局での手続きが通りません。形式上、本店所在地などで総会を開催したことにして、きちんとした書面を作成してくださいね。
また、株主が数人いる場合でも、電話やLINEで「今度定款変えたいんだけどいい?」と事前に根回しをしておけば、実際の総会は非常に短時間でスムーズに終わります。少人数会社だからこそ、形式にとらわれすぎず、しかし書類上の整合性は完璧にする。これがプロのやり方です。
全員同意による招集手続きの省略
「急に融資が決まって、明日までに定款の事業目的を追加しないといけない!」
ビジネスをしていると、そんな緊急事態も起こり得ますよね。そんな時に使える最強のカードが、会社法300条に規定されている「招集手続の省略」です。
通常、株主総会を開くには1週間前などの招集通知が必要ですが、これには「株主に準備期間を与える」という目的があります。裏を返せば、株主全員が「準備期間なんていらないよ、すぐに集まろう」と言ってくれれば、この期間を設ける必要はないわけです。
具体的には、株主全員が「招集手続きを省略して総会を開くこと」に同意すれば、面倒な通知を出さずに、いきなりその場で株主総会を開催して決議することが可能です。
- メリット:思い立ったその日に法的に有効な決議ができる。
- 条件:株主全員の同意が必須(一人でも反対や連絡がつかない人がいると不可)。
口頭での同意でも法的には有効ですが、後々のトラブルを防ぐため、実務上は「株主全員の同意書」を作成して議事録と一緒に保管するか、議事録の中に「株主全員の同意により招集手続を省略し~」と明記して、出席株主として全員の印鑑をもらう形をとるのが一般的です。
この制度を使えば、スピード感が求められるビジネスの現場でも、法令違反をすることなく、即座に定款変更を実現できます。特にオーナー企業では頻繁に使われるテクニックですので、ぜひ覚えておいてください。
電子定款やオンライン総会の活用
設立時に、紙ではなくPDFなどの「電子定款」を作成した方も多いのではないでしょうか。印紙代4万円が節約できるため、今は電子定款がスタンダードになりつつありますね。定款変更を行う際も、このデジタル化の流れは無視できません。
まず、定款変更後の「新しい定款」についても、Wordなどで作成してPDF化し、電子署名を付与して「電子定款」として保存しておくことが可能です。紙で保存する場合と違って物理的な保管場所を取りませんし、紛失のリスクも減らせます。また、変更の履歴をフォルダ分けして管理しやすいのもメリットですね。
さらに、株主総会そのもののデジタル化も進んでいます。特にコロナ禍を経て、ZoomやTeamsを使ったオンライン参加を認めるケースが一気に増えました。
| 開催形式 | 特徴 | 定款変更の可否 |
|---|---|---|
| リアル株主総会 | 物理的な会場のみで開催 | 〇(従来通り) |
| ハイブリッド参加型 | リアル会場+オンライン傍聴(議決権行使は不可) | 〇 |
| ハイブリッド出席型 | リアル会場+オンライン出席(質問・議決権行使が可能) | 〇(推奨) |
| バーチャルオンリー | 物理会場なし。完全オンライン | ※一定の要件下で可能 |
中小企業の場合、遠方に住んでいる出資者や親族がいるケースも多いですよね。
そういった株主に対して、わざわざ帰省してもらわなくても、「ハイブリッド出席型」を採用すれば、オンライン上で議論に参加してもらい、その場で賛否を確認して特別決議を成立させることが可能です。
こうしたデジタルツールを活用することで、特別決議の大きなハードルとなっていた「定足数の確保(株主の出席)」が、以前よりずっとクリアしやすくなっています。
「集まるのが大変だから定款変更できない」と諦める前に、オンライン総会の活用を検討してみるのも一つの手ですよ。
定款変更の特別決議から登記までの手順
特別決議の要件や開催方法がわかったところで、次は実際の手続きの全体像を見ていきましょう。定款変更は「会議室で決議して終わり」ではありません。
内容によっては法務局への登記が必要になり、そこまで完了して初めて対外的に「変更しました」と胸を張れる状態になります。
特に登記申請には期限があり、遅れるとペナルティが発生することもあります。ここでは、準備から完了までのロードマップを詳細に解説します。
定款変更の手順と全体のスケジュール
全体像を把握するために、標準的なスケジュールを整理してみました。
ここでは、多くの読者の方が該当するであろう「取締役会非設置会社」を想定した流れで見ていきます。
| ステップ | 内容 | 時期の目安・注意点 |
|---|---|---|
| 1. 変更案の決定 | どのような変更を行うか(商号、目的、発行可能株式総数など)を取締役間で協議し決定します。 | 随時 ※類似商号の調査などもこの段階で行います。 |
| 2. 招集決定 | 株主総会の日時・場所・議題を取締役の過半数で決定します。 | 開催の1週間前まで(定款で短縮可) |
| 3. 招集通知 | 株主へ通知を送ります。全員の同意があれば、このステップは省略可能です。 | 同上 |
| 4. 株主総会 | 特別決議で定款変更を承認します。定足数と賛成数を確実に満たす必要があります。 | 決議日当日 |
| 5. 議事録作成 | 決議内容を記録し、議長や出席取締役が押印して完成させます。 | 総会終了後すみやかに |
| 6. 登記申請 | 法務局へ申請(登記事項に変更がある場合)。登録免許税を納付します。 | 効力発生日から2週間以内 ※厳守です! |
この中で特に気を付けてほしいのが、ステップ6の「2週間以内」という期限です。これは「申請書を出しに行く日」までの期限です。
「忙しくて忘れていた」といって数ヶ月放置してしまうと、「登記懈怠(とうきけたい)」として裁判所から過料(数万円程度の罰金)の通知が来てしまうことがあります。
また、商号変更の場合は、会社の印鑑(実印)も新しく作り直して、改印届を出す必要があるかもしれません。
ハンコ屋さんの納期なども考慮に入れて、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切ですよ。
定款変更に必要な書類リストと準備
手続きをスムーズに進めるために、事前に書類を準備しておきましょう。
「あれが足りない、これが足りない」と何度も法務局に足を運ぶのは避けたいですよね。
特に登記申請まで行う場合は、以下の書類セットが必須になります。
定款変更登記の主な必要書類セット
- 株主総会議事録:特別決議が成立したことを証明する最重要書類です。
- 株主リスト:議決権数上位10名、または議決権割合の3分の2に達するまでの株主の氏名・住所・議決権数などを記載したリスト。法務局への提出が義務化されています。
- 定款(変更後のもの):登記申請には直接添付しませんが、会社保存用として必ず作成し直しましょう。
- 委任状:司法書士に行政手続きを依頼する場合に必要です。
- (印鑑届書):商号変更に伴い印鑑を変更する場合などに必要です。
よく質問があるのが「印鑑証明書は必要ですか?」という点です。
代表取締役を選び直す場合などを除き、単なる定款変更(目的変更や商号変更など)であれば、株主総会議事録に押印する印鑑は、個人の実印である必要はなく、認印でも受理されるケースがほとんどです(※法務局届出印を押すケースは除く)。
ただし、会社の実印(届出印)は、申請書や議事録(代表取締役作成の場合)に必ず押す必要がありますので、手元に用意しておいてください。
また、最近厳格化されているのが「株主リスト」です。
これが添付されていないと登記が通りませんので、株主名簿を最新の状態にしておくことが欠かせません。
(出典:法務局『商業・法人登記の申請書様式』)
株主総会議事録の作成例と記載事項
「議事録って、具体的に何を書けばいいの?」「決まったフォーマットはあるの?」と悩む方も多いですよね。
実は、法律で「これを一言一句書きなさい」という厳密な定型文が決まっているわけではありませんが、法的に効力を持たせるために絶対に外してはいけない記載事項(会社法318条など)は決まっています。
定款変更の効力を証明し、後で登記官や税務調査官に見られても問題ない議事録にするためには、以下の項目を網羅する必要があります。
株主総会議事録の必須記載事項
- 開催日時および場所:「令和○年○月○日 午前10時」から「午前10時30分」まで、といった具体的な時間と、開催した本店会議室などの場所。
- 株主の出席状況:
- 発行済株式総数(議決権総数)
- 出席株主数およびその議決権数(※ここが定足数を満たしているかの証拠になります)
- 議長の氏名:通常は代表取締役が務めます。
- 議事の経過の要領およびその結果:「誰が何を提案し、質問が出たのか出ないのか、どういう採決方法(拍手など)をとり、結果どうなったか(満場一致で可決など)」
- 変更する定款の具体的な内容:「第○条を別紙のとおり変更する」など。
特に重要なのが「変更内容の記載」です。
実務的な書き方としては、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 新旧対照表形式:「現行定款」と「変更案」を左右に対照させた表を作成し、「別紙の通り」として議事録に合綴する方法。変更箇所が多い場合や、複雑な変更の場合にわかりやすくておすすめです。
- 直接記載形式:議事録の本文中に、「第2条(目的)を以下の通り変更する」と書き込み、新しい条文をそのまま記載する方法。目的の追加や商号変更など、シンプルな変更ならこちらの方が手軽で一般的ですね。
最後に、出席した取締役(取締役会設置会社なら出席取締役と監査役、非設置会社なら作成者である議長だけでも可の場合がありますが、実務上は出席役員全員)が署名または記名押印をして完成です。
この議事録が、登記申請の際の「パスポート」になりますから、誤字脱字がないよう慎重に作成してくださいね。
定款変更後の定款と附則の整備
株主総会で無事に承認されたら、その内容を反映させた「新しい定款」を作っておくことを強くお勧めします。
よく、設立時の原始定款(一番最初の定款)のファイルに、その後行われた株主総会議事録のコピーを何枚もホッチキス留めして、「これが今の定款です」と言って保管している会社を見かけます。もちろん、それも間違いではありません。
しかし、変更回数が増えてくると、「結局、今の事業目的は何と何なの?」「今の本店所在地はどこ?」というのがパッと見てわからなくなってしまいます。
スマートな管理方法は、議決後にWordなどで作成している定款の元データを修正し、末尾に「令和○年○月○日変更」と改定履歴を追記して、プリントアウト(またはPDF化して電子署名)し直すことです。
これを「現行定款」と呼びます。銀行融資や許認可申請で「定款を出してください」と言われた時は、このすっきりと整った現行定款を提出するのがスムーズですよ。
また、ここで覚えておきたいプロのテクニックが「附則(ふそく)」の活用です。
附則(ふそく)とは?
定款の最後に追加する「おまけのルール」や「経過措置」のことです。
例えば、「4月1日に株主総会で商号変更を決議したが、実際の変更日は新店舗オープンの5月1日にしたい」という場合に使います。
記載例:
(附則)
第○条 当会社の商号変更(第1条の変更)は、令和○年5月1日から効力を生ずる。
2 本附則は、前項の効力発生日経過後、削除する。
このように附則を使うことで、決議日と効力発生日をずらしたり、一時的なルールを設けたりする柔軟な運用が可能になります。
「決めたその瞬間に変わる」だけが定款変更ではないのです。
変更登記申請と登録免許税の納付
定款変更の内容が、会社の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)に記載されている事項に関わる場合、管轄の法務局へ変更登記を申請しなければなりません。
登記事項になる主な定款変更:
- 商号(社名)の変更
- 事業目的の変更・追加・削除
- 本店所在地の移転(※定款に最小行政区画までしか書いていない場合で、同区内移転なら定款変更不要なケースもあります)
- 発行可能株式総数の変更
- 公告方法の変更(官報から電子公告へなど)
- 株式の譲渡制限に関する規定の変更
申請時には、国に納める手数料として「登録免許税」が必要です。この金額は変更内容によって異なりますが、一般的な中小企業が行う変更であれば、以下のような基準になっています。
| 変更内容 | 登録免許税額 |
|---|---|
| 商号の変更 | 30,000円 |
| 目的の変更 | 30,000円 |
| 本店移転(管轄内) | 30,000円 |
| 本店移転(管轄外) | 60,000円(旧・新管轄で各3万円) |
| 発行可能株式総数の変更 | 30,000円 |
ここでのポイントは、「区分(課税事由)が同じなら、まとめて申請すれば1件分の税金で済む」ということです。例えば、「商号変更」と「目的変更」を別々の日に申請するとそれぞれ3万円で計6万円かかりますが、同じ株主総会で決議し、1枚の申請書でまとめて申請すれば、合わせて「その他の変更」という区分になり、3万円で済むのです。
「どうせ変えるなら、ついでにあれも変えておこう」とまとめて行うのは、コスト削減の面でも非常に賢いやり方なんですよ。
(出典:国税庁『登録免許税の税額表』)
定款変更の特別決議を成功させる要点
長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
最後に、定款変更を成功させるための要点をまとめておきましょう。
最も大切なのは、「手順を飛ばさないこと」です。
特にオーナー社長一人の会社や、家族経営の中小企業では、「社長である私が決めたんだから、それで決定!」と、口頭だけで済ませてしまいがちです。
しかし、将来会社を売却する(M&A)、銀行から大きな融資を受ける、あるいは補助金を申請するといった場面で、過去の議事録の提出を求められることが増えています。
その時に「議事録? ありません」では、会社のガバナンス(統治)が機能していないと判断され、信用を失ってしまうリスクがあるのです。
スムーズな定款変更のチェックリスト
- ✅ 特別決議の要件確認:定足数と賛成数を確実に満たしているか。
- ✅ 招集手続きの適法性:期間短縮や全員同意の省略など、自社に合った方法を選んでいるか。
- ✅ 議事録の作成:「いつ・どこで・何が決まったか」を書面(または電子データ)で残しているか。
- ✅ 期限内の登記:効力発生日から2週間以内に法務局へ申請したか。
特別決議は、会社の根幹を変える重要な意思決定です。
「招集手続きの省略」や「みなし決議」といった便利な制度を賢く使いつつも、議事録という形での記録はしっかりと残す。
これが、会社を守り、長期的な成長を支える土台になります。
この記事を参考に、ぜひ自信を持ってスムーズな定款変更を実現してくださいね。
もし「この書き方で合っているかな?」と不安な点があれば、お近くの行政書士や司法書士といった専門家に相談してみるのも一つの近道ですよ。
