法人口座の審査がゆるい銀行はある？ひとり社長におすすめと審査対策

行政書士　小野馨

こんにちは。行政書士の小野馨です。

今回は、「法人口座の審査がゆるい銀行はある？ひとり社長におすすめと審査対策」というテーマでお話しますね。

「マイクロ法人を設立したのに、銀行口座の審査に通らない…」「法人口座　審査　ゆるい　銀行」と検索するあなたは、今、非常に不安な状況にいらっしゃるかと思います。

せっかく設立手続きを終えたのに、事業の日付がずれてしまうのではないか、口座開設の提出書類に不備があって審査期間が無駄に長引くのではないかと、心配になりますよね。

メガバンクに門前払いを食らい、即日で口座が欲しいけれど、どこに申し込めばいいのか、銀行の審査基準の相性をどう見極めるべきか、頭を抱えているのではないでしょうか。

しかし、ご安心ください。この記事を読むことで、新設法人でも口座開設に成功する確率は劇的に上がります。

法人口座の審査がゆるい銀行の選び方とおすすめ

まず、法人口座の審査は「ゆるい」のではなく、「新設法人に合わせた柔軟な基準を持っているか」という視点で銀行を選ぶことが重要になります。

私たちのマイクロ法人のようなスモールビジネスを歓迎してくれる銀行こそ、あなたにとっての「相性の良い銀行」ですよ。

このセクションでは、なぜネット銀行を選ぶべきか、具体的なおすすめの銀行はどこか、その理由と特徴を深く解説していきますね。

審査なしで作れる法人口座の危険な実態

「法人口座　審査なし」といった甘い言葉は、設立直後の焦りや不安を突いてきますが、これは絶対に手を出してはいけない領域です。

現在の日本では、犯罪収益移転防止法（犯収法）という法律によって、すべての金融機関に対し、口座開設時の厳格な本人確認と事業実態の確認が義務付けられています。

この法律がある以上、「審査が一切ない」銀行口座は、正規の銀行としては存在し得ません。

前者の「決済代行サービス」は法人口座に近い機能を持つことがありますが、銀行法に基づいた預金保護の対象外となるため、万が一そのサービス会社が破綻した場合、預けていた資金がすべて失われるリスクがあります。

これは、行政書士として強く警告しておきたい点です。

特にマイクロ法人の場合、設立費用を抑えるために安価なサービスを選びがちですが、銀行口座だけは信頼性と安全性を最優先してください。

これが、結果的に最短で事業を軌道に乗せるための最も確実な方法になりますよ。

ネット銀行とメガバンクの審査難易度の違い

法人口座の選択肢には、都市銀行（メガバンク）、地方銀行、信用金庫、そしてネット銀行がありますが、新設法人であるあなたの最初の口座開設先は、ほぼ間違いなくネット銀行一択となります。

この違いを理解しておくと、無駄な申し込みをせずに済みますよ。

なぜメガバンクの審査は厳しいのか

メガバンク（三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など）は、主に長年の取引実績がある大企業や、物理的な実店舗を持つ中堅企業をターゲットにしています。

審査のプロセスが非常に厳格で、多くの場合、以下の点を求められます。

私たちのようなマイクロ法人やひとり社長は、物理的な実態や取引実績に乏しいため、「ペーパーカンパニーではないか」「マネーロンダリングの隠れ蓑ではないか」と疑われやすく、特に紹介や多額の預金がない限り、門前払いに近い対応をされることが多いのが現実です。

なぜネット銀行は柔軟なのか

一方で、ネット銀行（GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行など）は、最初からオンラインでの取引に特化して設計されています。

彼らのビジネスモデルは、実店舗の維持費や人件費を削減し、その分、手数料の安さや利便性、そして審査の合理化に振り分けています。

手数料も安いですから、経費削減の観点からもメリットが非常に大きい選択肢ですよ。

まずはネット銀行を第一候補として、申し込むことが、最短で口座を手に入れるための鉄則となります。

審査が柔軟なGMOあおぞらネット銀行

私自身、お客様に推奨する機会が最も多いのがGMOあおぞらネット銀行ですよ。

彼らは、銀行でありながらフィンテック（FinTech）企業としての側面も強く持っており、従来の硬直した銀行の審査基準ではなく、テクノロジーの力で事業内容の確認を合理化しています。

この柔軟性が、私たちのようなWeb完結型の事業やひとり社長にとって非常に大きなメリットとなるんです。

GMOあおぞらネット銀行が柔軟な3つの理由

「審査がゆるい」というよりは、「新設法人に対する審査基準が合理的で柔軟」と表現するのが正しいですね。

特にあなたがWebコンサルティング、アフィリエイト、IT開発などを事業の中心としているなら、最も相性が良い銀行と言えるでしょう。

まずはここから申し込んでみることを強くおすすめします。

住信SBIネット銀行がおすすめな理由

GMOあおぞらネット銀行の次に有力な選択肢となるのが、住信SBIネット銀行です。

ネット銀行の老舗的な存在であり、ネット専業銀行としての信頼性が非常に高いのが特徴です。

この信頼性の高さから、特にフリーランスや個人事業主時代からの屋号を引き継いだ法人など、「個人との連続性」が強い事業体におすすめできます。

住信SBIネット銀行の最大のメリット

最大の魅力は、やはりSBI証券との連携の強力さです。

私たちマイクロ法人の目的が節税と資産管理にあることを考えると、この利便性は計り知れません。

アプリの使い勝手も非常に良く、多機能でありながら直感的に操作できるUI（ユーザーインターフェース）は、忙しいひとり社長にとって大きな助けになります。

振込手数料の優遇サービスも充実していますよ。

書類の不備がないよう、完璧な準備をして臨むようにしましょう。

楽天銀行の法人口座審査基準とゆうちょ銀行

ネット銀行の選択肢として、楽天銀行も無視できません。

特にあなたが楽天市場や楽天カードといった楽天経済圏を深く活用している方なら、ポイント還元などのメリットが非常に大きいです。

事業の経費支払いなどで楽天カードを使えば、ポイントが貯まり、それがまた事業運営に役立つという好循環を生み出せるのが強みです。

楽天銀行の審査の特徴

ただし、他のネット銀行に比べて、提出書類の種類が多く、審査に時間がかかる傾向があります。

これは、楽天銀行が非常に多くの口座を抱えているため、より慎重な審査プロセスを踏んでいるためです。

時間に余裕をもって申し込み、求められる書類は完璧に揃えるようにしましょう。

これらの情報から、あなたの事業形態や求める機能に合わせて、最適な銀行を選んでみてください。

複数のネット銀行を候補に入れ、同時並行で申し込むことが、口座開設を最短化する秘訣ですよ。

法人口座の審査がゆるい銀行でも落ちる原因と対策

「ネット銀行を選んだのに審査に落ちた」という場合、その原因はあなたの会社の信用力や実態証明に穴があるからです。

原因を特定し、対策を打てば、必ず口座は開設できますよ。

このセクションでは、審査落ちの本質的な原因と、私のような専門家が推奨する具体的な対策を解説します。

法人口座審査落ちの原因は定款の事業目的

銀行審査で最も見られるのが、定款に記載された「事業目的」です。

なぜなら、銀行は「この会社はどんな活動をするのか」という法的根拠を定款から確認するからです。

そして、マネーロンダリングや詐欺行為といった不正利用の可能性を排除しようとします。ここ、気になりますよね。

定款の書き方が銀行の信用に直結する理由

事業目的の書き方が悪いと、以下の二つの点で銀行から警戒されます。

マイクロ法人の場合、メイン事業（例：コンサルティング業）に加えて「資産管理」や「有価証券の保有」といった節税に関連する目的を入れるのは問題ありません。

銀行は安定した事業を好むためです。

定款作成でお悩みなら、ぜひ専門家の手を借りてください。適切な定款の作り方を知りたい方は、私のサイトの[合同会社を最安で作る手順【マイクロ法人向け電子定款の作り方】]で詳しく解説しています。

資本金が低いと法人口座開設が難しい理由

「資本金は1円でもOK」という話は、会社を設立するための最低限の法的要件の話であって、銀行の信用評価とは別問題ですよ。

銀行は、資本金を見て「この会社は事業を継続・維持するための資金力があるか」を判断します。

資本金と銀行審査の心理学

資本金が1円や1,000円の会社は、「事業を行うための元手がない＝すぐに資金ショートするリスクが高い」と判断されやすくなります。

これは、銀行から見ると「安定した取引先」とは言えないのです。

特に新設法人の場合、過去の実績がない分、この「初期の資金力」が信用力の大きな指標となります。

私のおすすめは、少なくとも10万円以上、できれば100万円を目安に設定することです。

この金額は、あくまで一般的な目安ですが、設立時の登記費用や最低限の運転資金として現実的な額を示すことで、銀行に対して「この法人は本気で事業を行う意思がある」というメッセージを送ることができます。

資本金の設定は、設立後の税金や社会保険料にも影響を与える非常に重要な要素です。

この金額はあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は専門家にご相談ください。

代表者の個人的な信用情報の影響

法人の口座審査では、もちろん法人の事業実態がメインで見られますが、代表者個人の信用情報も間接的に影響を与えることがあります。

これは、法人の代表者が個人の財務状況に問題を抱えている場合、その法人の経営にも悪影響が出やすいと判断されるからです。

私たち行政書士も、法人設立サポートの際、この点はヒアリングするようにしています。

特に、代表者個人が過去にクレジットカードやローンの返済を長期間滞納していた履歴（いわゆるブラックリスト）がある場合、その情報が銀行のグループ企業や提携先のデータベースに残っていると、法人口座の開設審査にも少なからず影響を及ぼす可能性があります。

銀行は、「法人の金庫の鍵を握る人物」の信用力を無視できないのです。

法人の審査では、あくまで法人自身の信用が最優先されます。

しかし、代表者の信用不安が払拭できない場合は、事業のクリーンさと資本の健全性をより強くアピールすることが重要になりますよ。

バーチャルオフィスでの法人口座開設のコツ

バーチャルオフィスは、マイクロ法人にとってコスト削減の面で非常に有効な手段ですが、銀行審査では**「実態がない」と疑われる最大の原因になります。

しかし、以下の具体的な対策を徹底すれば、この壁を乗り越えて口座開設を成功させることが可能です。ここが一番、実務的なノウハウが詰まった部分ですよ。

実態証明のための具体的な3つの対策

バーチャルオフィスだからといって諦める必要は一切ありません。

特にネット銀行は、これらのデジタルな実態証明を理解してくれる傾向が強いですよ。

即日で法人口座開設するための必要書類

繰り返しになりますが、法人口座の「即日」開設は事実上不可能です。

しかし、審査期間を最短にするための鍵は書類の準備の完璧さにあります。

書類に不備があると、銀行からの問い合わせで審査期間が数週間伸びてしまい、その間に事業のスタートが遅れてしまうのは避けたいですよね。

書類の準備は、スピードではなく正確性を追求しましょう。

審査期間を短縮するための提出書類チェックリスト

以下の書類は必須です。

これらに加え、銀行から任意の提出を求められる「事業計画書」も用意しておくと、事業の透明性が増し、審査にプラスに働くことがあります。

これらの書類を揃えた上で、申請書類に記載した内容と、定款の内容、HPに記載された情報が、一言一句たがわず完全に一致しているかを、何度も確認してください。

住所の番地の記載ミス一つで審査が止まることもあります。審査に時間がかかるのは、銀行が書類の不整合を一つ一つ潰しているからだ、と理解しておきましょう。

法人口座の審査がゆるい銀行選びのまとめ

「法人口座　審査　ゆるい　銀行」を探すあなたの不安は理解できますが、成功への道は、「相性の良いネット銀行を選ぶこと」と「事前に実態証明を万全にすること」の二つに尽きます。

焦りは禁物です。

もし、自力での申し込みで全てのネット銀行に落ちてしまった場合でも、専門家への相談や紹介制度を利用する道は残されています。

起業家支援に特化したサポートサービスや、提携銀行を持つ専門家を経由することで、銀行側も「身元が保証されている」と判断し、審査のテーブルに乗せてくれる可能性が高まります。

最後の救済策として、諦めずに専門のサポートを探してみてください。

正確な審査基準は銀行によって日々変動しますので、最終的な情報は各銀行の公式サイトをご確認ください。

もし、ご自身の定款や事業目的の設定に不安がある場合は、私のような行政書士などの専門家にご相談ください。

専門家への相談が、結果的に最も早い解決策となることがあります。

【次のステップ】

マイクロ法人設立の理論、特に資本金や役員報酬の最適な設定など、節税と社会保険料削減の仕組みについて深く知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

法人口座の審査が通り、無事事業を開始できることを心から祈っています。

会社設立や電子定款認証のスペシャリスト！開業17年・年間実績500件以上。実は、電子定款の制度ができた10年以上前から電子定款認証の業務を行なっているパイオニアです！他との違いは、まず定款の完成度！内容はモデル定款のモデルと言われ全国数百箇所の公証人の目が入っている優れもの！そして電子署名はまるでサインのようなかっこいい電子署名です！その電子定款であなたの大切な会社設立を真心込めて応援します！